番外編032話 if 真・恋姫無双編 02話
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振るわれる大剣と共に吐き出される言葉。
だが、アクセルとしては目の前にいる女が何を言っているのか全く理解出来なかった。
別にアクセルは曹操を名乗る人物の言葉を無視した訳ではない。寧ろ、3人で話していたのが落ち着くまで待っていただけだ。
だが大剣を振り上げている女の中では全く違う解釈になったのだろう。どのような思考経路を辿ったのかはアクセルには分からなかったが、それでも自分に対して殺意を向けているのは確かだった。
勿論、気も魔力も通っていない一撃で混沌精霊のアクセルがどうにかなる訳はない。しかし、今の状況で自分の特異性を見せるのは色々と危険だと判断し、振り下ろされた大剣の一撃を横に移動して回避する。
同時に、地面にぶつかりかけた大剣の動きを力ずくで止めた女は、そのまま撥ね上げるようにしてアクセルの胴体を狙う。
間違いなく当たれば命を奪うだろう攻撃。
「春蘭!」
「姉者!」
そんな声が聞こえてくるが、命を狙われて黙っていられる程にアクセルも温厚ではない。
膝を撥ね上げ、肘を下ろす。大剣の刀身をその間に挟むようにして受け止める。
『なっ!?』
驚きの声を上げたのは春蘭と呼ばれた女だけではなく、他の2人もまた同様だった。
そのまま春蘭と呼ばれた女が驚きにより一瞬動きが止まった隙を見逃さず、そのまま肘と膝で大剣を受け止めた状態のまま捻るように身体を動かす。
「あぐぅっ!」
空中に舞い上げる大剣。
「はぁっ!」
そうして、舞い上がった大剣が落ちてきたところで柄の部分を思い切り蹴ると、次の瞬間には大剣が物凄い勢いで東の方へと飛んでいく。
『……』
今何が起きたのか分からない。そんな状態の3人へと、アクセルは冷たい視線を向けながら口を開く。
「なるほど、曹操というのは自分の欲しい物であれば相手を殺してでも奪い取る盗賊の類だったのか。よく分かった。語るに値しない相手だというのがな」
「待ちなさい! 私は……」
「これ以上見苦しい言い訳をするな、盗賊の小娘。違うというのなら、そこにいる女を処罰して見せろ。勿論命を狙った処罰なのだから、俺が納得出来るような処罰をな」
「ぐっ、そ、それは……」
言葉に詰まる曹操と、その横でそっと弓に手を伸ばしている女を一瞥するアクセル。
女にしてみれば、自らが敬愛する主の汚点となりかねない男は今ここで命を絶った方がいい。そう思ったのだろうが……アクセルに視線を向けられては動く事が出来なかった。
これ以上主である曹操に汚名を被せる訳にはいかないのだから。
「……どうやら無理なようだな。曹操、か。名前負けにも程がある。盗賊の親玉として、その名前は覚えておこう」
それだけを告げ、そのまま3人に背を向け歩き出す
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