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ブラック・ブレットー白き少女
「世界を変えたいと思わないか」
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言わなかった…………いや、言えなかった。

 何故なら、事実、そんな光景を何度も見て来たからだ。

「彼女達…………いや、君達は既存のホモ・サピエンスを越えた次世代の人間の形だ。今、この東京エリアが大絶滅の危機にさらされているのは知ってるかい?」

「…………七星の遺産か」

 すると影胤は、驚いたような素振りを見せて、

「ほう、七星の遺産を知っているのか」

「…………私だって、完全にフリーって言うわけじゃない。所属とまではいかなくても、協力している組織くらいいる」

「…………それは初耳だ」

 どうやら、本当に知らなかったらしい。

「話を戻そうか。大絶滅を経たあと生き残るのは我々力のあるものだ。私にはいま強力な後援者
バック
もいる。どうだ?」

 アリスは少し考えると口を開いた。

「…………私は『呪われた子供達』が進化した人間の姿だとは思わない。あの子達はただの、至って普通の子ども達だ」

「…………交渉は決裂というのとかい? 残念だよ、君はもう少し聡明な子だと思っていたのだが」

 そう言って踵を返そうとする影胤にアリスは続けて言った。

「だが、この世界を変えたいとは思っている。こんな理不尽な世界をね」

「ということは?」

 影胤がこちらを振り返りながら問う。

「…………私は必ずしも指示に従うとは限らない。そして、敬語で話す気もない。最後に、私が『呪われた子供達』に攻撃するとこはない。攻撃するならお前達がやれ。それでもいいなら受けよう」

 すると影胤は、両手を広げて大袈裟に喜ぶ。

「いいだろう! では、よろしくだ同志よ!」

「ああ、よろしく」

 今ここで、誰も知らない契約がなされた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「それで? 私はなにをすればいい?」

 アリスが影胤にそう聞くと、

「今のところは何もしなくていい。何かしら仕事が出来た場合は携帯に連絡しよう」

「なんだ? わざわざ私を勧誘しに来たってのに何も仕事が無いのかよ」

「ああ、君には基本、裏方で行動して貰いたいからね」

 アリスは少し不満そうな感じだったが、すぐにそれもなくなった。


 ブゥゥゥン ブゥゥゥン


 携帯のバイブレーションが動いたからだ。

「もしもし、…………そうか。わたった、なるべく速く行く」

「仕事の依頼かい?」

「まあ、そんなもんだ。今の所は何も無いんだろう? なら、向こうに行ってもいいよな」

「ああ、もちろんかまわないよ」

 影胤が了承したので、アリスはあるきだした。

「ああ、いい忘れていたが、蓮太郎君も誘うつもりだが、いいかね?」

「別
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