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ブラック・ブレットー白き少女
ファーストコンタクト
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ジVにもなると、しっかり準備しないと簡単には勝てないような相手である。

 それをいとも簡単にとなると、尋常な強さではない。

「その上、誰が作ったのかは知らないけど、遠距離でも、『おーだーめいどひん』と言っていた恐ろしい銃もある」

「恐ろしいって、どう恐ろしいんだよ?」

「とにかく、恐ろしいのだ!」

 その様な会話をしていると、

「…………わかった。本部には俺から伝えておく。お前らはもう帰っていいぞ」

 多田島にそう言われて二人は帰ることにしたのだった。

 …………無論、蓮太郎はこの後、天童民間警備会社の社長たる、天童木更に蹴り回されたのだった。

 回避出来なかったのは、延珠が能力使用状態でピーを蹴ったダメージが回復しきっていなかったからである。


ーーーーーーーーーー??ーーーーーーーーーー

「おお! ありがとう。約束通りに持ってきてくれて」

 狐の面の少女はモデル・スパイダーのガストレアの首を太った、いかにも金持ちそうな男に渡し、札束らしき物が入った封筒を受け取った。

 この男はガストレアの首を収集するという奇妙な趣味を持った男だった。

「またいつかよろしく頼むよ」

 そう言われた少女はその男の屋敷から出て、路地裏に入ると、壁を駆け上った。

 そして、その建物の屋根にたどり着くと狐の面を外し、自らの赤い目を晒した。

「ふう、全くガストレアの首なんか集めてなにがおもしろいんだか」

 赤い目を隠すことなく少女は歩き続ける。

「まあ、そのおかげで金が手に入ることだし、我慢するか」

 屋根と屋根の切れ目に差し掛かると、少女は5メートルという距離をいとも簡単に飛び越える。

「そういえば、久しぶりに延珠と会ったな。あの頃と違っていきいきとしていたし」

 少し嬉しそうな顔をしながら少女は喋り続ける。

「あの『プロモーター』は珍しく良い奴
・・・
なのかな?」

 少女は少し考える様な素振りを見せた。

「ま、これから観察すればいっか」

 少女は不意に立ち止まった。

「ふふふ、久しぶりに東京エリアに来たけど、なかなか楽しくなって来たね」

 少女…………いや、アリス
・・・
はそう言って笑い、次の瞬間、アリスの姿は何処にもなかった。

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