力
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モデル・タイガーのガストレアは困惑していた。
先ほどまで格好の獲物でしかなかった少女が咆哮をあげ、そして、自分がこの少女に恐怖していたからだ。
「あぁああぁぁ、ゼッたイにシンでたまルカっ!」
そう叫んだ瞬間から少女に変化が起き始めた。
それは体内浸食率が50%を越えた時に起こる現象『形状崩壊』に似ていたが、どこか違うものだった。
そして、その光景がモデル・タイガーのガストレアが見た最後の光景だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー一
モグモグ ごくんっ
アリスは実質、生まれて初めて食べた『食糧
・・
』〇に夢中になって食らいついていた。
「いやー、それにしても気づいた時にはもう食べて〇焦ったけど、食べてみれば意外と美味しいんだねこいつら」
アリスはガストレア〇だったもの
・・・・・・・・・・
を食べながらそう言うとふと何か思い付いたかの様に立ち上がった。
そして、自分の手に意識を集中させると、まるで先ほど文字通り
・・・・
喰らったモデル・タイガーのガストレアのような鋭く、立派な爪が生えてきた。
「へぇー、私って食べたガストレアの力を手にいれられるのかな?」
正確には、ガストレアは食べた生物のDNAを自らの体内に取り込み、自らの力とするのだが、アリスは特にその能力が強かったのだ。
「人間とは会ってみたいけど、いまの私じゃあ、モノリスのせいで中の都市まで行く前に衰弱死するのは目に見えてるしなー」
そう、ガストレアとなったアリスはバラニウムに対して圧倒的な脆弱性があるのだ。
「ふふふ、取り敢えずは力を蓄えて奥としようかな? きっといつかチャンスはあるさ」
アリスはそう言うともう骨しか残っていないモデル・タイガーのガストレアを放り投げ、歩き出す。
「さっきの力も自分の意志で自由自在に操れる様にしないといけないし、尻尾にしてもまだまだ、強くなりそうだしねぇー」
本当に楽しそうな笑顔を浮かべながらアリスは喋り続けた。
「でもまずは…………川か何かに入りたいね」
そう言ってモデル・タイガーのガストレアの血にまみれた状態でアリスは歩き続けた。
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