第二話
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「久しいな…お前がこのような場へ来るとは…。」
「来たくて来た訳じゃあないけどな。」
「それはそうだろう。して、今回はどの様な用向きで来たのだ?」
「レラージュ…今、何処に居るんだ?」
「そのことか。」
ここは時の狭間。異空間…と言った方が良いかも知れない。
その一角で、メフィストはある悪魔に会っていた。
「サルガタナス…君がヤツの主の筈だ。知らない訳じゃないよな?」
「知っておる。だが、それを聞いてどうする?」
サルガタナスはさも可笑しそうにメフィストへと尋ねると、メフィストは間を置かずニッと笑みを見せて返した。
「俺の大切な人間の願いを叶えてやるんだよ。」
その答えに、サルガタナスは露骨に顔を歪めた。
「この人間贔屓め…まぁ良い。お前にはこれ位では足りぬ程の借りがある。して、ヤツを止めて如何にするのだ?」
「出来れば全てを元の鞘に戻したい。」
「それは無理だな。」
今度はサルガタナスが間を置かずにそう返したため、メフィストは眉を潜めてサルガタナスを見た。
「旅団長たるお前でも無理と言うのは…どういうことだ?」
「お前も気付いておるのではないのか?もうあの体は死んでいる。如何なわしでも、死者を完全に蘇らせる事は出来ぬ。」
そう言い終えるやメフィストが怒りの表情を見せたため、サルガタナスは溜め息を洩らして言った。
「そう怒るな。レラージュが操りしあの青年は、既に死が確定していたのだ。」
「何故だ!」
「自ら死を選択したのだ。それをヤツめが利用したのだ。」
「一体何のためにだ。」
「それを命じたのはわしではない。」
「…?」
サルガタナスの答えは、メフィストの首を傾げさせた。
悪魔とて、人の屍を自由に操ることは至難だ。それをまるで生きている様に見せる程、レラージュは力を行使している。にも拘わらず、その主たるサルガタナスは命じてないという…。
では、一体何者が命じたのか?
「サルガタナス。お前、ヤツが離脱したのは知ってたんだろ?何故止めなかったんだ?」
「止めなかったのではない。わしが気付いた時には、既に消えておったのだ。探させてみればあの状態であったと言うことだ。」
「では、どうして止めさせない。」
「止めさせる?わしに何故それを命じる必要があるのだ。」
そう言われたメフィストは頭を抱えた。
確かに、悪魔は悪魔。命じられたことを遂行するのは当たり前だが、それ以外に何をしようと自由だ。但し、神との契約に触れる様なことは出来ない。言い換えれば、契約に触れない限り何をしようと構わないのだ。
そこまで考えた時、メフィストは嫌な予感がした。
「サルガタナス…俺とあいつはこっちじゃ毛嫌いされる存在だ。だが、その中でも俺達を抹消したいと考えてるヤツはいるか?」
「いる
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