第編集後記話+α
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かと思えば、そのHPも急速に減っていき、赤いゲージまで減少すると、その減少値が緩やかになっていく。
――まるでクリティカルヒットを一撃受けたら、そのHPがちょうど無くなるようなHPに。
「……ふう。貴様もいるか?」
スメラギが瀕死になった自らのHPゲージを、どことなく満足げに見つめた後、もう一つ同じ小瓶をショウキへと差しだしてきた。中身が何であるかなど、予想をするまでもない。
「…………」
ショウキが初撃決着モードを提案したのは、同じカタナ使いだから、というのは全てではない……全ては勝つためだ。魔剣グラムを擁するユージーン将軍に勝利した、ALO最強のプレイヤーに勝てる、と確信できるほどショウキは自信家ではないし、夢想家でもない。
……だが、初撃決着モードならば。一回きりの奇策でも何でも使って、先に一撃を与えることならば、まだ全損決着モードで戦うより勝機はある。そう考えて初撃決着モードにした以上、スメラギが勝手に飲んだ毒を飲む必要はなく、これ以上不利になる要因を背負う必要はない。……ないの、だが。
「……貰おう」
それでもショウキにその小瓶を貰わない、という選択肢はない。ショウキ自らが自身の勝率が高いモードを選択したように、まだデュエルは始まっていないものの、既に戦いは始まっているのだ。この申し出を断ってしまえば、ショウキは完全にスメラギに『呑まれる』。奴の方が格上なのだ、という意識がこびりつき、何度やってもスメラギとのデュエルに勝利はなくなるだろう。
「それでこそだ」
スメラギに投げ渡された小瓶を飲み込むと、やはりその状態はスメラギと同じ状況になっていく。先に飲んだ分、少しだけスメラギのHPが減っている、というぐらいか。……これでこちらの小瓶にのみ、遅効製の麻痺毒でもあればショウキの敗北は決定するが、スメラギはそのような人物ではない。
「では……始めようか」
ショウキが小瓶を飲んだことを確認したスメラギは、遂にデュエル申請メニューの『YES』のボタンを押すと、二人の顔の前にカウントダウンが表示されていく。ショウキが渡された小瓶を投げ返し、少し離れたショウキとスメラギの位置の中間点を飛んでいる――というところで、カウントダウンは0を指し示す。
「ハァッ!」
先に仕掛けたのはスメラギ。裂帛の気合いとともに発動された、刃型の衝撃波を発射するカタナ系ソードスキル《残月》が放たれ、投げ返されていた小瓶を真っ二つに切り裂きながらショウキに迫る。もちろんただ放たれただけの斬撃に当たるショウキではなく、翼を展開しスメラギに接近する中途に、ついでのようにその斬撃の側面を飛翔して避ける。
ショウキは不規則に飛翔しながら、クナイをあらぬ方向へと投げていく。当然、クナイたちは
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