第二話
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うわけだ。
「僕、今は休暇中なんですよ。忙しくなる前に取っておかないと、休めないことの方が多いんで。」
「へぇ・・・こっち住んでんの?」
「はい。去年の秋に出来たばかりなんですよ!」
「・・・。」
大崎と鈴野夜は眉をピクつかせ、互いに顔を見合わせた。
洸は・・・まだ二十一歳だ。にも関わらず、家を新築したと言う。この二人は家を建てるどころではないと言うのに・・・。
「そう言えば、お二人は何の用でこちらに?」
「いやぁ・・・そんな大した用じゃねぇんだけどな。」
「だったら、家に泊まりに来て下さいよ!」
二人は洸のその誘いに危うく乗ってしまうところだったが、鈴野夜は苦笑しつつそれに返した。
「そうしたいのは山々だが、もう宿は決めてあるんだよ。」
「えぇ・・・そうなんですか・・・。」
何だかやたらとしょんぼりしている。その足元では犬までしょんぼりと項垂れているため、鈴野夜は慌てて付け足した。
「時間があれば寄らせてもらうから!あ、ケータイ番号教えといてよ。」
鈴野夜がそう言うや、洸は一気に明るくなった。その足元では犬も以下略。
洸はニコニコしながらケータイを取り出し、早速番号とアドレスを二人へと送信したのだった。
結局のところ、洸は家を自慢したくて仕方がない・・・と言うことなのだ。
「来てくれたら、きっと春香も喜びますよ!」
その言葉に、大崎と鈴野夜の表情が凍り付いた。
「えっと・・・まさか結婚したの?」
「はい!」
二人は唖然とした。何故ならば、式に呼ばれるどころか・・・話さえ聞いてなかったのだ。無論、それを知らせる葉書さえ届いていなかった・・・。
「なぁ・・・雄。お前、聞いてたか?」
「いや、聞いてないぞ。でも・・・半年位前に、まぁ君が誰かの結婚式に出るからって店休んだことがあったじゃないか。あの時のがそうだったんじゃないか?」
「・・・。」
二人は結婚式どころか・・・以下略。
さて、二人は洸と暫く話した後、彼と別れて孝の家に向かった。
家に着いた時、陽はかなり傾いていた。空には星がちらつき始め、夕と夜の淡い境界線が見えていた。
「叔父さん、帰ってる?」
大崎は戸を開けて家の中へ声を掛けたが、中から返事はなかった。まだ戻ってないようだ。
「そんじゃ、入って待ってるか。」
「そうだな。ここで待ってたら、何だか空き巣みたいに見られかねないしな・・・。」
そうして二人は中へと入り、昔来ていた部屋へと足を踏み入れたのだった。
二人は途中、近くにあるコンビニで酒やつまみを買ってたため、酒は台所の冷蔵庫へと入れてきた。そうしたことも昔と同じだ。
ただ、昔は淑美・・・孝の妻がいて、二人の子供が無邪気にはしゃいでいた。あれから十年・・・ずっとここへ来ることは無かったが、やはりあ
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