番外編031話 if 真・恋姫無双編 01話
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それは即ち、覇気と呼ばれる類のものだ。
「何と言ってもな。道に迷っているというのがこの場合は正しいのか?」
「道に? ……まぁ、いいわ。それよりも聞きたいのだけれど、3人組の男を見なかったかしら?」
「見たぞ」
「……へぇ。随分とあっさり認めるのね。見たところ、あの賊の仲間という訳ではなさそうだけど。まぁ、いいわ。それでどこに行ったのかしら?」
「向こうの方だな」
チラリ、と視線を男達の逃げていった方へと向けるアクセル。
それを聞いた女は、部下に指示してその後を追わせる。……何故か、自分はそこに残ったまま。
「で、そっちの質問には答えたが、まだ何か俺に用が?」
アクセルの言葉を聞いていた少女が、口元に面白そうな笑みを浮かべる。
おでこの広い女がその隣で面白くなさそうにアクセルを睨み付けていたが、本人は全く気にした様子もなく口を開く。
「貴方の着物。今まで見た事もないものね。どこで買ったのかしら?」
「さて、どこだったか……」
別の世界から来ました。そう言ったとしても、この世界の人物には理解出来ないだろう。その意味も込めて返事をしたアクセルだったが、それを聞いたおでこの広い女がジロリと睨み付ける。
(へぇ……なかなかの殺気だ)
その身体が滲み出すようにして現れた殺気を感じつつ、アクセルは全く気にした様子もなく女と言葉を続ける。
「答えて貰うわよ。陳留の勅史として、怪しい人物をこのまま野放しにする訳にはいかないのだから」
「……陳留?」
それは目の前の少女が追っている男達から聞いた、ここから一番近くにある街の名前。
勅史というのは何の事か分からなかったが、それでも何らかの役職であるというのは予想出来たのだろう。小さく溜息を吐いて口を開く。
「悪いが、俺も何で自分がここにいるのか分からないんだよ。気が付いたらここにいたからな」
「戯れ言を抜かすな!」
そう叫んだのは、少女……ではなく、その横で先程から殺気を放っていた女。
「春蘭、落ち着きなさい。……私の名は曹操。聞き覚えは?」
「曹操? ……え? あれ。それって……」
女の名前を聞き、思わず目を見張るアクセル。
それはそうだろう。曹操。それは歴史に興味のないアクセルでも知っている程に有名な、三國志に出てくる主役級の登場人物なのだから。
その事実に気が付き、アクセルとしては珍しい事にただ唖然とする事しか出来なかった。
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