番外編031話 if 真・恋姫無双編 01話
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内心でそう思っていると、槍を持った女がアクセルへと向かって笑みを浮かべて声を掛ける。
「いや、済まぬな。もし危ないようなら助けようと思っていたのだが……その必要も無かったらしい。それにしても立派な腕をお持ちですな。どうです? 是非私と一勝負……」
「星ちゃん、星ちゃん。そんな事をしてる場合じゃないですよー。ほら、あれあれー」
人形を頭に乗せた少女があらぬ方を指さしながら呟く。
その方向からは土煙。
恐らく何者かがアクセル達のいる方へと向かってきているのだろう。
(まぁ、エアカーとかそういうのはまずないっぽいし、良くて馬車ってところか?)
さて、どうするか。そう考えているアクセルの前で、女3人組は目配せをして意思を確認したのだろう。槍を持った女が口を開く。
「あの規模であるのなら、恐らくは官軍でしょう。見つかると面白くない出来事になりそうなので私達はこれで失礼しますが、そちらはどうしますか?」
「そうだな……」
一瞬悩むが、この世界の事情を知るのであれば官軍……即ち公の組織に話を聞いた方が面倒臭くないだろうと判断したアクセルは、視線を土煙の方に向けて口を開く。
「俺はここで残ってみる。色々と情報を集めたいしな」
「おやまぁ、何とも奇特な御仁ですな。……では、我等はこれにて」
「お気を付けて」
「また機会があれば会いましょうねー」
それぞれがそれぞれの言葉を掛けて去って行く。
その後ろ姿を見送ったアクセルは、長剣を持ったまま近くにあった岩――女3人が隠れていた場所――へと背を預ける。
そうしながら、あの3人の名前を聞いていなかったなと考えていると、視線の先に30騎程の騎兵が目に入ってきた。
「馬車じゃなくて騎兵か。予想通りここは色々と遅れている世界らしいな。……にしても、何だって俺がこんな場所に……誰の仕業だ? まさかレモンの悪戯じゃないよな?」
そんな風に考えている間にも騎兵の群れはどんどんとアクセルの休んでいる場所まで近づいてきて……やがてその足を止める。
そしてシャドウミラーの軍服を着ているアクセルをどこか胡散臭げに眺め……やがて騎兵の中から1人の人物が進み出る。
「貴方、こんな所で何をやっているかしら?」
そう声を掛けてきたのは、馬に乗っていても分かる程に背の小さい女……いや、少女だった。
先程の人形を頭に乗せていた人物よりはまだ背が高いが、それでも女と表現するには難しいだろう背の大きさ。
だが身に纏っている気配はその容姿とは裏腹のものであり、間違いなく一級品と言ってもいい。
少なくても、門世界に存在していた有象無象の貴族では相手にならない……いや、帝国の皇女であるピニャですらも、少女の纏っている気配には及ばないだろう。
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