番外編031話 if 真・恋姫無双編 01話
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クセルがこの世界の情報を得る為の情報源を必要としていたからだ。
ここがアクセルの知っている場所ではないと理解した理由。それは……
「真名、か。また妙な風習が。にしても、陳留? どこかで聞いたような覚えがあるな」
首を傾げるも、思い出すような事はない。
やがて、そんなアクセルに対して背の小さい男が口を開く。
「それで、ですね。その……そろそろ俺達を解放して貰えるとありがたいんですが」
「……そうだな。まぁ、お前達からは色々と話を聞くことも出来たし、それはそれでいいか。行け」
呟き、背の高い男が持っていた長剣を拾い上げる。
一瞬そんなアクセルに対して何かを言おうとした男達だったが、襲った相手に返り討ちにされて命が助かっただけで運が良かったと判断し、小さく頭を下げてそのまま急いで走って行く。
その後ろ姿を見送り、手にした長剣を見て……アクセルは、改めて自分がいるのが全く未知の世界であることを実感する。
明らかに長剣の出来が良くないからだ。
勿論アクセルが知っているのはシャドウミラーの技術で作られた長剣だが、それとは比べるべくもない。
だが、ナイフの類ですら空間倉庫の中から消えてしまっている以上、この程度の長剣でも取りあえずあるだけはありがたかった。
(まぁ、いざとなればスライムがあるからいいんだが……不幸中の幸いだよな。それに食事や水に困らないってのも助かるし)
そんな風に考えていると、再び何かの気配。
それなりに気配を消すのが上手い1人と、その手の類の技術は習得していないのだろう2人。
少し離れた場所にある岩陰に隠れているその3人に向かって、アクセルは手に持っていた長剣の切っ先を向ける。
「誰だ? 俺に何か用があるのなら出てこい」
「いやいや、こうも見事に私の姿を見つけるとは。……風、凜、お前達の気配ではないのか?」
「えー、星ちゃんが来いって言ったんじゃないですかー」
そんな声が聞こえてきて、取りあえずは物盗りの類ではないだろうと判断したアクセルは、向けていた長剣の切っ先を下ろす。
そして実際、姿を現した3人は敵対行動をする様子もなくアクセルの側へと近づいてくる。
先頭を歩いているのが、槍を持った女。その次が眼鏡を掛けた女で、最後に頭の上に人形をのせた背の小さな女。
(……眼鏡? 意外と文明レベルが高いのか?)
長剣の出来具合に先程の男達から聞いた情報で、てっきり門世界、あるいはそれよりも文明の遅れてた場所だと思っていたのだが。
(魔法の類は聞いた事もないって話だったし、科学技術に関しても同様。だとすれば、やっぱり文明レベルは低いと判断した……筈だったんだがな。あるいはどこか一帯だけが大きく文明が進んでいるとか、そういうパターンか?)
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