地を蠢くモノ
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「この様な広場で闇に蠢くとなると地下しかないだろう」
他に日の当たらない、隠れられる場所もない。
「地下になにかが潜んでるってこと?」
ようやく警戒を始めたレアは、外の地面をじっと見始めた。……じっと見ても何も起きないぞ。
「ファンタジーで砂場の地面から出てくるものといえばアレだろう」
「あー……」
様々なゲームを齧っているユウキが納得の声をあげる。そういう知識のないレアは仕切り首を捻っているが。
「二人で納得してないで教えてよ……」
やがて仲間外れであることに堪えられなくなったのか、若干涙目になった。
「えっと、ワームって分かる?」
「細長いあれ?たまに土から出てくるけど……」
そう言うレアの表情に不快感はない。尋ねたユウキも平気そうだ。……だが意外と苦手な人が多いらしいな、ミミズ……earthwormは。
「これと同じ状況でね……よく出るんだよ。ものすごく大きなワームが」
あ、想像したのか青くなった。
「じゃ、じゃあ雨はどうなの?ワーム……ミミズは雨とは関係ないでしょ?」
否定材料を探そうとレアは必死である。まあ、わからんでもないが。
「ミミズは雨になると外に出てくる。最後の決め手は雨だ。雨の一文がなければ蠍や蟻地獄などの可能性があったんだが……」
ミミズが雨になると外に出てくる理由は水が好きだからではない。雨によって地面に浸透した水がミミズの表皮に纏わり付き、それによって呼吸ができなくなるため、外に出てくるのだ。端的に言えば溺れてる。
「えっと……つまり、あのまま外に出てたら……」
「まあ、恐らく丸呑みにされるな」
かなり巨大そうだしな。
「じゃ、じゃあどうするの?このままじゃ外に出れない……。それに、こんなところにいつまでも居ると、あいつらが……」
不安そうに洞窟の闇を見つめるレア。それもそのはず。普通のゴブリンですら自分の手に余るのだ。それは俺達がいるからいいとしても、長きに渡って刻まれた恐怖は早々消えはしない。
「どう……か。それはな……ユウキ」
「うん?」
「任せていいか?」
対人戦では譲る気はないが、単純な剣技、スピードではユウキの方が上。となるとこの役割分担が適切だろう。それに俺は飛び道具も使える。
「え、あー……」
しかし、ユウキは複雑そうな表情で口ごもった。眉間にはシワがより、腕組みをして唸っている。
「どうした?嫌なら俺がやるが……」
まあ、男の意地としては俺がやるのが正しいのだろう。……そう言うとユウキは絶対に怒るだろうが。
ユウキの風に流れる綺麗な髪を見つめながら待っていると、やがてユウキは苦笑いを浮かべ、口を開いた。
「私ね、ALOに
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