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英雄は誰がために立つ
Life1 勉強会と考察会
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ーン。ギリシャ神話における、多くの有望な若者たちを大英雄の卵にまで育て上げて大成したケンタウロス族の『大賢者』。偽名ケイン・クロスでこの世界を渡っている。
 フィリップと同じく、聖杯戦争でもないのにアーチャーのクラスに当てはめられて現界した英霊。
 水色と緑を基調としたカジュアルな夏服に身を包んだ、広大な森の様な清冽な気配を持った青年。

 しかしこの2人、英霊と言いながら肉が有る。だが受肉しているワケでは無い。
 正確にはあと3人の英霊も入れた5人のマスター状態であった士郎は、藤村の血とアインツベルンの先祖返りの血が混ぜ合わせられたことにより、屈強な肉体に規格外な魔術回路から精製できるトンデモナイほどの魔力量を有していても、5体の英霊の現界維持の魔力を供給し続けるのは無理がある。
 そこで、士郎がかつて衛宮士郎だった頃に邂逅した稀代の人形師の精巧な人形の記憶を、生体系統に特化した錬金術を得意としたフィリップが許可を取った上で覗き込んで、その人形を再現した器にそれぞれが移ったと言う事だ。

 されど魂は肉体に依存するし、その逆もある。
 さらに言えば彼らは神秘の塊だった。故に単に肉体を用意してもステータスは大幅なランクダウンは待逃れない。
 しかしながらその心配は不要だった。

 士郎が見た人形は何も一つだけでは無かった。
 フィリップが再現した人形は単なる器では無かった。
 士郎が衛宮士郎だった頃、宝石翁の紹介があったにせよ、自分の魔術の成果をおいそれと見せる魔術師なぞ基本的には存在しない。寧ろ、どうにかして出し抜こうと考えるのが一般的だった。
 だが、士郎と稀代の人形師は同じ『創る者』。
 そこに際して何か通じるものがあったのか、最強の幻想(ラスト・ファンタズム)レベルより一歩手前の投影物を見せたら、快く『彼女』の上位作品である『肉体が魂――――神秘に依存する器』を見せてくれたのだ。
 しかし何方かと言えば、彼女の見解からして士郎に見られてもさして問題ないと思われたのだろう・・・。
 兎も角、士郎の記憶からそんな特別な人形を再現してからそれぞれが移ったために、ほとんどステータスをランクダウンさせずに済んだ。
 更には肉体が有る故、一見完成された器でもあるが肉が有る以上、鍛錬し続ければさらにステータスが上がるだろうとフィリップとケインが皆に説明したのだった。

 閑話休題(それは兎も角)

 「少々、報告したい事が有っただけですが、私の話より先の約束を優先してください」
 「そうか・・・。じゃあ、お言葉に甘えるとしようか?」
 「そうですね。では、お話を伺いましょうか」

 そうして3人の会合は始まった。


 −Interlude−


 「成程、聖書に記させし堕天使の一柱コカビエル
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