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英雄は誰がために立つ
Life1 勉強会と考察会
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が有るんですよ?少なくとも、私よりは強いんで――――『ピリリリリリッ!』――――失礼」

 フィリップの通気性の良い上着の内ポケットからスマホの着信音が鳴り、士郎達に断わってから取り出して電話に出る。

 「『ピッ!』はい、うん!僕だよ、ハニー!」
 『・・・・・・・・・・・・・・・』
 「うん!今は昨夜に伝えた通り、士郎の相談に乗ってるんだ!だから心配いらないよ?ハニー!」
 『・・・・・・・・・・・・・・・』

 士郎達に話す口調と声音が、電話越しに出ているであろう『ハニー』なる人物になった途端に変わった。
 信じられようか、『賢者の石』のモデルにもなった錬金術師兼魔術師の英霊『パラケルスス』が人生の根底が変わったとはいえ、士郎達の前で電話相手に話している時の彼は、バカップルの片割れそのものだ。
 しかしながら、士郎もケインも慣れているのか、それぞれが何とも言えないような微妙な表情を作っているが、大して驚いている様子は見られない。如何やら、何時もの事のようだ。

 「――――うん!夕食までには帰るから!戸締りはしっかりネ!ハ〜〜〜イ!バイバイ、ハニー!」
 『・・・・・・・・・・』
 ((コイツはもう、絶対魔術師じゃない!))

 ピッ!

 電話を切り、内ポケットにスマホを戻すフィリップ。

 「――――ふぅ、失礼しました・・・どうかしましたか?」
 「いや・・・相変わらずだなと思ってな。なぁ、ケイン?」
 「ええ、夫婦円満で何よりです、フィリップ」
 「フフフ、お恥ずかしい所をお見せしましたね。ところで話の続きですけれど・・・」
 「いや、もう大丈夫だよ。フィリップ」

 士郎の言葉に引き下がるフィリップ。
 見せつけられた士郎とケインからすれば、ご馳走様状態だ。

 「それでは、フィリップの方が終わった所で、お話があります」

 フィリップへの相談について、済んだところでケインが口を開く。

 「聖書の三勢力の会談襲撃の日、何故私に声を掛けなかったのですか?し・ろ・う!」
 「え゛?だ、だって、会談が襲撃されるなんて夢にも思わ「嘘ですね」!?」

 士郎の誤魔化しを一刀両断するケイン。

 「夢にも思わなかったのでしたら、士郎とケインとフィリップ(我々)合作の大型スナイパーライフルを如何して持ち出したんですか?警備だけでしたら到底あんな物騒なモノ、必要ありませんよ?」
 「うぐっ」

 ケインの指摘に言い返せずに黙る士郎。

 「しかし、もう起きた事をとやかく言う気はありませんので、次からはちゃんと話してくださいね?士郎」
 「え・・・・・・だ、だが」
 「異存が有ると?」
 「あ・・・ありません」

 ケインの鋭い眼光には有無を言わさぬ感情が籠って
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