五十二話:子供の好きな物
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愛せるようになるまで」
俺は黒歌の首から手を離し、そう答える。対する黒歌は少し名残惜しそうに俺の歯形の残った首筋を撫でて起き上がる。その際にはしっかりと着物を整えていた。そのことに嬉しくなるのと同時に、彼女を縛ってしまったという罪悪感が湧いてくる。
「ルドガーは一つ勘違いしていることがあるにゃ」
「何をだ?」
「私は既にあなただけのもの……少なくとも今この瞬間はね」
そう言って、微笑む黒歌。俺はその言葉に少し呆気にとられて言葉が出なかったが、しばらくして微笑みを返す。これだけ、我儘を言っているのに、付き合ってくれる黒歌には感謝してもしきれない。もし、運命というものがあるなら俺は感謝するよ。黒歌と合わせてくれて、ありがとうってな。
「ところで、おっぱいを触るということで今思い出したんだけどにゃ……」
あれ? なんだ。急に黒歌の周りから凍てつくような空気が出ているような気がするんだけど……俺、何かしたか?
「あの女―――ミラの胸の感触はどうだったかにゃ?」
しまったぁぁぁあああっ!! 完全に忘れてたけど、俺の過去を全部見られてたんだった! 黒歌が物凄い笑顔を浮かべているけどそれが死ぬほど怖い。笑顔には威嚇の意味も込められているとは言うけどこれは威嚇というよりは脅迫のレベルだ。くそっ! まさか、未来においてこんな問題を引き起こすことになるなんて思ってもみなかったぞ。あの時、ラッキー! と心の中で叫んでしまった自分を殴りたい。
「ねえ、どんな感触だったかにゃ? にゃ?」
さらに、凄味のある声でそんなことを尋ねられてしまった俺は、汗が止まらない。おかしいな、冷房はちゃんとついているんだけどな。あはは……やばい、どうにかして誤魔化そうと思ったけどそんなことしたら黒歌に殺されてしまいそうだ。別に黒歌に殺されるのは嫌じゃないんだけど、こんな理由で殺されたくなんてない。……正直に話さないとまずいよな、やっぱり。
「や……」
「や?」
「柔らかかったです……はい」
胃が痛い。どうして、朝からこんな目に合わないといけないのだろうか。観念して、小さい声で俺が答えると、黒歌の目が鋭く細い物になる。これって、猫が獲物を狩る前にやる仕草ですよね。そして、獲物は俺……詰んだか。
「……私のとどっちが柔らかいかにゃ?」
「は? いや、黒歌は触ったことない―――」
そこまで言って、しまったと思って慌てて口をふさぐが既に遅かった。シュルリと柔らかな布がすれる音が聞こえてくる。そして、俺の目の前には、大きくて形のいい双丘―――黒歌の生おっぱいがあった。一瞬、上半身をさらけ出した黒歌の美しさに息をのんでしまうが、すぐに状況を思い出して
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