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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第20話 「T&HエレメンツVS漆黒の剣士」
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「やらせない!」

 気合のこもった声と共にフェイトちゃんが間に割って入り、漆黒の長剣を受け止めた。だが体重の差からか、フェイトちゃんのほうが押し返される。
 でも動きが止まった。このタイミングで……!
 私は動きを止めようとショウさんの足元を凍らせ始める。あともう少しで足を取れる! と思った矢先、再び彼は超反応を見せ、強引にフェイトちゃんを押し返すと、剣を地面に突き立て跳躍した。
 前にフェンサータイプはトリッキーな機動が持ち味と教わったが、ショウさんの動きはこれまでに見たどのフェンサータイプよりもトリッキーだ。
 だけどあんな無茶な避け方をした直後なら、そう易々と連続で回避行動は取れないはず。

「ディバィィン……バスター!」

 私達の中で最も火力のあるなのはちゃんの砲撃がショウさんを狙い撃つ。簡単に直撃をもらってくれるとは思えないが、少なくとも今浮かんでいる彼の顔には焦りのような感情が見える。
 だが――次の瞬間。
 ショウさんの瞳には諦めではなく抗いの意思が宿っていた。
 彼は迫り来る桃色の閃光を見つめながら可能な限り体勢を整え、右腕を引き絞るように肩に引き付ける。それとほぼ同時に漆黒の刀身に集束されていた魔力が弾け、紅蓮の炎へと姿を変えた。
 ショウさんの愛用している魔法《ブレイズストライク》。時として一撃で勝負を決め得る威力を秘めているだけになのはちゃんの砲撃を食い破る可能性は高い。

「う……お……!」

 かすかに漏れた雄叫びと共に真紅の流星が宙を翔ける。なのはちゃんの砲撃とは全く関係のない方向に。
 狙いをミスしたのかと思ったが、今のショウさんは空中に居る。強力な魔法というのはそれ相応の反動があるもので、撃ち出す方向とは逆向きの力が働くものだ。踏ん張りを効かせずに放てば、必然的に体はその方向へと進み始める。
 結果から言って、ショウさんはブレイズストライクの反動で砲撃の範囲から脱出した。ただ反動が強すぎるあまり、すぐに止まることはできず、何度も地面を転がる。
 人によっては無様な避け方だと言うかもしれないが、なのはちゃんの砲撃は防御魔法を使ってもなかなか受け止めきれるものではない。攻撃範囲から逃れるのが最も効果的だ。だからといって、普通のデュエリストはあの状況下で回避という選択肢は取れないだろう。
 私達が呆然と立ち尽くす中、ショウさんは剣を地面に突き刺して制止を掛け体勢を立て直した。こちらの動きに注意を払いつつ剣を地面に刺したまま立ち上がると、体のあちこちを叩き始める。

「やれやれ……ついこの間始めたばかりだって言うのに。……これは俺も本気でやらないと勝てそうにないな」

 本気。
 その言葉に驚愕と動揺が走る。
 デュエルが始まって間もないが、ショウさんの実力の高さは充分に理解
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