暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
反抗
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らない。せいぜい銃が主武器で、ゲームで生計を立てているプロのトッププレイヤーがうろついているということくらいだ。

しかし、そんな低い知識レベルでも、コンバートしたてのドがつく初心者が容易に高位装備を手に入れられるほどネトゲの世界が甘くないということはわかる。第一、プロがいるようなゲームだ。上位の銃器――――それこそサーバに一丁か二丁しかないぐらいの超レア銃は軒並み競争率が高いはずだ。

つまるところ。

このクエストに失敗するのは非常にマズい……かもしれない。

「……仕方ない。ユウキねーちゃんと……そこのケンカ中の姉妹」

「なに?」

「「なにッ!!」」

三者の視線が集中砲火する中、かつて《冥王》と呼ばれた少年はつとめて平静に自らの結論を下した。

「逃げよう。これだけの客船なら、脱出用のゴムボートくらいはあるでしょ」

「そ、そりゃあるけど……」

「ちょっとタンマ!あ、アンタ今どーゆー状況か分かってんの!?クリアはすぐソコよ!?今艦長室にへばりついてるアイツらをブッ殺せば――――」

「それがクリアになるとは限らないでしょ、リラねーちゃん。現に、クリアだと思ってた爆弾解除がこうして絶妙なタイミングで妨害されてる」

視線を落とすレン。その冷淡な瞳は足元に固定されている楕円形鉄塊に向けられていた。

「僕は最初、このクエストが殲滅系なんだと思ってた。侵入してきた敵を皆殺せーみたいな。だけど、やってくうちにドンドン分かんなくなってきた。クリア条件だと思ってたものが全部はずれ。挙句の果てには明らかにプレイヤー側で操作できることが困難な妨害が成功されてる……」

とつとつと紡がれる言葉を黙って聞いていたユウキは、ハッとする。

今、何か。

大事なことが引っかかったような。

「……レン、何が言いたいの…………?」

数瞬。

迷うような一瞬の後、小さな少年は振り返ってリラとミナに向かって口を開く。

「間違ってたら悪いけど、リラねーちゃん達は前にもこのクエストをクリアしてるんじゃない?」

これだ。

これが答えだ。

ユウキが目を見開いて見つめる中、二人の少女は圧されたように静かに首肯した。

「で、でも、前のは忍び込んだ程度だって。くすねたものも、手榴弾くらいだし――――」

「それだ!何でクエストがクリアしてないのに、内部で手に入れたものの所有権が一般フィールドでも通用するの!?」

「そ、それは……」

できたんだからしょーがないじゃない、とぶつぶつ放つ少女の呟きなど、もう誰も聞いていなかった。

時が止まったかのように、沈黙が部屋に落ちる。足元を時折揺らす爆音だけが、時々意識を現実へと引き戻してくれる。

「つ、つまり」


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