暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
反抗
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はこれ真下から配線でこの船の動力系に直接繋がってるみたいなのよねぇ」

そう言って彼女は卵の下端を少しだけ持ち上げて見せる。確かにそこには、頑丈そうなボルトによるロックの向こう側に一本だけブッとい配線がにょろりと垂れていた。その行先は直接床に埋まっており、その先はリラの言う通りならばこのバカでかい船のエンジンに繋がっているのだろう。

それが?と無言で続きを促す一同に。

「物質という物質をエネルギーにしてしまう反物質を封じ込めるのは、並の手段じゃ無理。だからそのためのエネルギーをこの船からちょろまかそうって話らしいわ」

この反物質そのものもここで作ったッぽいし、とリラはこぼす。

なるほど、分かりやすいと言えば分かりやすい。こんな危険なものをただで作れるほどGGOの世界は甘くなかったというところか。生成するのも保存するのも莫大なエネルギーがいる。確か、荒廃した世紀末世界といった世界観を提供していたここでは、なるほどエネルギーなどそうそう転がっているはずもないか。

だんだんこのクエストの背景が出てきてゲーマーとしては面白いのだが、今はこの状況が先である。

「それで?一体全体何がどうなったら僕達の足元から爆音が鳴り響いてくることになるの?」

少年の詰問にあーうーえー、と唸った後、リラは観念したように重い口を開ける。

「……さっきの横揺れで、変な感じになっちゃったみたいでその――――」

「ど、どうなったの?リラちゃん」

「………えー、っと。エンジンからちょろまかしてたエネルギーの一部が、こう……返っちゃったのよ。エンジンに」

一瞬の静寂。

次いで、全員の顔にありありといやーな色が急浮上してきた。

―――つまり。

「さっきの爆発音って……」

「エンジンが……壊れた、音?」

頬をひくつかせながらユウキがそう結論付けた直後、再度の爆音が足元を揺らす。

――――つまり、つまり。

「た、たたた対処法はッ!?リラちゃんならエンジンくらい直せるでしょ!」

「人を勝手に工学オタクみたいにすんな!それに今の爆発音からして、エンジンは今も誘爆を続けてんのよ!それはあれか!?灰になれってことか!?」

「ど、どーしようレン!このままじゃこのクエスト……!」

ギシギシという軋みがそこかしこから発生する。

おそらくそのうち、この部屋の中でもはっきりと分かるくらいの異常が感じられるようになってくるだろう。

「――――ッ」

少年は黙考する。

シゲさんがよこしてきたのは、このGGOで開催される頂上(1)決定戦《バレット・オブ・バレッツ》でも通用するような、この世界での装備(じゅう)の獲得クエストだ。

レンとユウキはこの世界のことをほとんど知
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