マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0949話
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俺はパイロットスーツを身につけている。
勿論俺が望んでの事ではない。というか、そもそもこのパイロットスーツは俺の身を守る為の物ですらない。
あくまでも、ニーズヘッグのコックピットに掛けられるGを始めとした、各種数値を計測する為のものだ。
『そう言えばそうだったわね。まぁ、それでも恋人の心配くらいはしてもいいでしょ。……さて、話はここまで。いよいよね』
「ああ、お前達技術班のG元素研究の結実。その一端だ。……行くぞ!」
その言葉と共に、T-LINKシステムによる機体制御でブラックホールエンジンの稼働率を次第に上げていく。30、40、50、60、70、80、90、100。
以前のブラックホールエンジンであれば、100%稼働を確認。
同時にT-LINKシステムによる制御で、本来であればフルドライブ状態になったトロニウム・エンジンにメイン動力炉が変更するのを防ぐ。
そして……
……110、120……
よし、来た!
「ブラックホールエンジン、規定値を突破! グレイ・イレブンの触媒効果の稼働を確認! 観測は!」
デブリベルトのような障害が何も存在しない宇宙空間を斬り裂くかのように飛びつつ、シロガネでこちらの状況をモニターしているレモンへと報告する。
『こっちでもきちんと確認しているわ。とにかく今は機体におかしな場所がないかの確認を最優先にしてちょうだい!』
「分かった!」
レモンの言葉に短く答え、T-LINKシステムにより機体に異常がないのかを注意深く確認する。
念動力により、ニーズヘッグそのものが俺自身の身体であるかのように感じ取れるというこの状況は、映像モニタに映し出されている数値の異常といったもので確認しなくても本能的な違和感として察知出来る。
そういう意味では、ニーズヘッグで新技術を試すというのは悪くない……いや、寧ろ異常を察知しやすいという意味ではこれ以上ない程に合っているのだろう。
そんな風に考えつつも、ブラックホールエンジンの稼働率が以前の120%、つまり1.2倍になっているのを確認し、他の場所に何か異常がないかを注意深くチェックしていく。
勿論グレイ・イレブンを使ったブラックホールエンジンのパワーアップに関しては、これが最初ではない。寧ろ、これが最終試験という扱いであり、技術班が魔法球の中で他のブラックホールエンジンを使って十分に試験済みだ。
だが、当然ニーズヘッグに積み込んで宇宙空間で実際に試験をするというのは始めてであり、だからこそ物理攻撃を無効化出来る俺がテストパイロットをやっているんだろうが。
いやまぁ、それ以前にニーズヘッグはT-LINKシステムによる操縦者認証があるし、そもそも機体制御の殆どをそのT-LINKシステムによって行われているのだから、
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