第二百四話 箱根八里その一
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第二百四話 箱根八里
信長は己の手元に五万の兵を置き幸村、兼続を補佐として主な家臣達に合わせて十五万の兵を預けて北条のそれぞれの城を陥とさせに向かわせた。そのうえで自身は城を築かせて小田原城を囲んでいた。
その城に本陣を置いて囲み続けていた、幸村はその本陣において信長に言った。
「殿、城が完成し」
「こうしてな」
「さらに囲める様になりましたが」
「うむ、よいことじゃ」
「はい、しかし」
「兵糧じゃな」
「今は岐阜から中山道を使って兵糧を運ばせておりますが」
幸村はまずはこの道を話に出した。
「しかし」
「中山道だけではな」
「我等は二十万、関東で兵糧を買ってもいますが」
「今は大丈夫じゃが」
「戦がさらに長きになりますと」
「うむ、だからじゃ」
それがわかっているからだとだ、信長は幸村に答えた。
「竹千代に箱根に行ってもらったのじゃ」
「徳川殿にですな」
「小田原から箱根までの道を抑えてじゃ」
「そして箱根を抑え」
「そしてじゃ」
信長はさらに言った。
「東海道からもな」
「兵糧を、ですな」
「武具もな」
それもというのだ。
「運ばせる、そして既にじゃ」
「徳川殿が箱根を抑えられることを前提に」
「あれを手配させた」
既にだ、そうしたというのだ。
「だからな。竹千代が箱根を抑えるとな」
「それと同時に」
「あれがここに送られてじゃ」
そして、というのだ。
「東海道、箱根が無理でもな」
「海ですな」
幸村はすぐにだ、箱根が駄目ならばと察して答えた。
「海からも」
「そうじゃ、無論水軍も動かしておる」
信長はそちらも手配していた、先の先を読んでそのうえで小田原をひいては北条家を攻めているのである。
「二郎、そしてじゃ」
「そして、ですか」
「面白い者達が来る」
「面白い者達とは」
「水軍に新たに加わった者達じゃ」
「と、いいますと」
今度は兼続が言って来た。池田や森、そして竹中や黒田といった軍師達まで北条の支城を攻めさせ今はこの二人を補佐に置いているのだ。ただ毛利と服部は今も信長の後ろにいて彼を護っている。
「伊予の」
「そうじゃ、来島にな」
それに、だった。
「もう一人じゃ」
「あの噂に聞く」
「あの者も呼んだ。それでじゃ」
「海からもですな」
「北条を攻める」
そうさせるというのだ、九鬼とその者達にもだ。
「明日にでも水軍は来るわ」
「では」
「その者達に兵糧も運ばせることが出来るしあれも運ばせられる」
それが出来るようになるというのだ。
「だからな」
「水軍もですか」
「動かされましたか」
「そして海からも小田原を囲み」
そして、というのだ。
「まさに四方
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