第四十三話 街道での死闘その十四
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「あそこ夏休みでも開いてるわよ」
「いいな、それも」
「そうでしょ、だったらね」
「一回行ってみるな」
「そうしてね」
「高砂族は戦争の時も活躍していますね」
桜は大戦の時の彼等の話をした。
「授業中に先生が仰っていましたが」
「何か凄く強かったのよね」
「頑健でしかも密林を軽々と踏破し」
「元々山のところに住んでいた人らしいしね」
「それで、でしたね」
「ジャングルも踏破して食べものを調達したりして」
「しかも人格も優れていた方が多かったとか」
そうしたことで日本軍の中でも深い敬意を受けていたのだ。
「義勇軍として募集した人達でして」
「募集してもあまり来ないと思っていたら」
「凄く集まったそうで」
「そうらしいわね」
「へえ、そんなのだったんだな」
薊は二人の高砂族の話を聞いて目を瞬かせた。
「陸軍さんの話だな」
「あっ、薊ちゃんはこのことは」
「ご存知では」
「横須賀にいたせいかさ、海軍さんの話はよく聞いたよ」
元々帝国海軍の軍港としてはじまった街だ、今も海上自衛隊の港がある。もっと言えば防衛大学もあるしアメリカ海軍のベースもある。
「けれど陸軍さんは」
「あまり、なのね」
「お聞きにならなかったのですね」
「そうだったんだよ」
こう二人に話すのだった。
「学校でも孤児院でもさ」
「こっちじゃ陸軍さんのお話もするけれど」
「また違いますね」
「だよな、こっちは海軍さん一辺倒だよ」
横須賀は、というのだ。
「本当にさ」
「陸軍さんはないのね」
「あまりな」
実際に、というのだ。
「防大はあってもな」
「防衛大学は陸上自衛隊にも行く人いるのに」
「やっぱり陸軍さんの空気はないんだよ」
そうだというのだ。
「本当に海軍さんが強いな」
「帝国海軍、それで海上自衛隊ね」
「そうだよ、海自さんのでっかい基地があってさ」
横須賀の基地は呉の基地と並んで海上自衛隊最大の基地である、日本の東の海を守る要と言っていい存在なのだ。
「やっぱりな」
「海軍さんなのね」
「陸軍さんの要素本当にねえな」
「それ呉もですよ」
ここで桜が言って来た。
「呉、そして江田島も」
「江田島なんて特にだよな」
「あちらに八条学園高等部の合宿場所もありますが」
それでもだというのだ。
「海軍さんですね、あそこも」
「兵学校があったからな」
海軍兵学校だ、今は海上自衛隊幹部候補生学校である。海軍将校を育成していた歴史と伝統ある場所である。
「あそこは」
「はい、ですから」
「海軍さんばかりだな」
「こちらの博物館には陸軍さんの資料も多いですが」
八条学園の博物館はというのだ。
「江田島もそうですね」
「何か森鴎外の筆もあるんだよな」
「は
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