第四十三話 街道での死闘その十
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「吉野家さん自体も」
「今じゃ女の子だって入るけれどな」
「まだどうかと思われているところがあっても」
「おかしいよな、そういうの」
「美味しいのでしたら」
「誰でも食っていいだろ」
「私もそう思います」
「というかさ、牛丼は美味くてさ」
しかも、と言う薊だった。
「ざっくばらんで」
「気軽に食べられますね」
「しかも量も多くてさ」
「非常にいい食べものですね」
「早い、安い、美味い」
この三拍子がまた出た。
「それだよな」
「その三つの利点が最高ですね」
原発漫画に成り果てた某似非グルメ漫画では決して出ないが。この漫画はそもそも大企業なり文明社会なりを忌み嫌う傾向の強い極左プロ市民向けの漫画ではないだろうか。読むとそれだけで頭が悪くなる様な。
「非常に素晴らしいです」
「だからいいんだよ」
「それで女の子が食べてはならないというのは」
「間違ってるよな」
「私もそう思います」
それも心から、と言う桜だった。
「美味しいものは誰もが食べるべきです」
「正直さ、おっさんがミスタードーナツ入ってもさ」
こちらもというのだ。
「いいだろ」
「そちらもですね」
「爺さん婆さんがマック、いやマクドでシェイク飲んでもいいし」
「誰でもですね」
「美味いもの食っていいだろ」
性別や年齢に関わらず、というのだ。
「酒だって。この町は十五になれば飲めるから」
「お酒についてもね」
裕香も酒好きなので薊の言葉にうんうんと頷く。
「誰が何を飲んでもね」
「そりゃ健康の問題があるけれどさ」
「飲み過ぎはよくないわね」
「ああ、けれどさ」
それでもと言う薊だった。
「あたし達が焼酎どんどん飲んでもいいだろ」
「そうよね、女の子は甘いお酒とかいうのは」
「ただの先入観だよ」
そうしたものに過ぎないとだ、薊は言い切った。
「流石に女の子が食った後爪楊枝で歯と歯の間の食べカス取りながら歩くとかはどうかって思うけれどさ」
「ちょっと。そうした仕草はね」
「私もあまり、と思います」
二人もその仕草については苦笑いだった。
「女の子としてね」
「如何なものかという動作ですね」
「あたしもしないさ」
男まさりやボーイッシュと言われる薊でもだ。尚薊は確かにそうした性格だが胸はわりかし大きいことで知られている。
「そんなことは」
「最低でも人前ではね」
「したらアウトだよな」
「そうよね」
「けれど牛丼はいいだろ」
薊は再び牛丼について言及した。
「これは」
「そうよね」
「こんなの皆が食わないとな」
こう言って薊は最後の一口を食べ終えた。丼の中には米一粒もなかった。そうしてそれを食べ終えてからだった。
そして二人が食べ終えるのを待った、二人も暫く
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