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ドリトル先生と二本尻尾の猫
第二幕その七
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「ちゃんとね」
「どんな名前かな」
「お静っていうの」
「お静?」
「そう、いい名前でしょ」
「百年前からその名前になったのね」
「そうなのよ、付けてもらった瞬間にいい名前だって思ったわ」
 まさにその瞬間にというのです。
「ご主人にはそのことも感謝しているわ」
「その時のご主人に」
「そこから前の戦争やら後のゴタゴタやら地震もあったけれど」
「今もだね」
「こうしてここでお世話になっているのよ」
 こう先生と老馬に言うのでした。
「それで時々ね、こんな元の姿になって」
「それで僕と一緒に」
「そう、先生を見てたのよ」
「それで僕のことを知ってたんだ」
「先生は有名人だから」
 猫又のお静さんもこう言うのでした。
「この町の犬と猫は皆知ってるわよ」
「そうみたいだね」
「そうよ、公平で気さくで優しい人ってね」
「そうした評判なんだ」
「そうよ、皆に優しいね」
 そうした評判だというのです。
「こうしてうちに来てくれたのも何かの縁ね。宜しくね」
「うん、こちらこそね」
 先生は屈んで、でした。そのうえで。
 お静さんに右手を差し出します、するとです。
 お静さんも右の前足を差し出して、でした。それで握手をして挨拶をしました。そうしてその挨拶が終わってからでした。
 お静さんは人間の姿に戻ってです、こう言いました。
「じゃあ焼酎はね」
「うん、沖縄のそれだね」
「あれがお勧めだから」
「今このお店にあるんだね」
「だからお勧めしてるのよ」
 それでと答えるお静さんでした。
「先生にね」
「そういうことだね」
「実は私お酒が好きで」
 お静さんはこのこともです、先生達にお話しました。
「ご主人にどのお酒がいいのかアドバイスさせてもらっているの」
「それで僕にも」
「そう、買ってね」
「そうさせてもらうよ」
「そういうことでね」
 こうしてでした、先生はお店の中に入りました。お店の中には焼酎だけでなく日本酒やビール、ワイン等様々な種類のお酒があります。お店の中は外観から感じられるイメージよりもずっと広くて奇麗にお掃除されています。
 そのお店の中に入るとです、お静さんは先生にその沖縄の焼酎を差し出してです。先生にこう言ってきました。
「はい、これよ」
「そのお酒がだね」
「私が一番のお勧めよ」
 まさにその焼酎こそがというのです。
「期待してもらって結構よ」
「じゃあ買わせてもらうよ」
 こうして先生はその焼酎を買いました、そして。
 その焼酎を手にお店を出てからでした、お店の外で待っていた老馬がお店の外まで見送りに来たお静さんに尋ねました。
「ところで君って」
「何かしら」
「好きな食べものは」
「お魚よ」
「ああ、やっぱり」
「あとキャット
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