悪い人と姉
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たしの家族を傷つけた人間と仲良しこよしなんてできない!
「離して!」
「あれが、お前の弟か」
アムが低い声で言った。前髪が落ち、その表情は全くわからない。
「そうよ!あたしの、大事な、大事な、弟よ!」
あたしは懐の短剣を抜いた!躊躇などなかった。
短剣はあたしとアムの間を薙いだ。アムの拘束が緩む。その瞬間を見逃さず、あたしは転がりながら、ノエルに走り寄った。
「ああ…!」
あたしは口を覆い、思わず声を漏らす。ノエルは真っ青な顔で、気を失っているようでぐったりとしていた。頬の辺りや唇から血が流れていて見るからに痛ましい姿だ。
「ノエル、ノエル…!」
あたしは震える手でノエルを抱きしめた。
きっと振り返れば、歩み去っていく背中が見える。
あたしは涙に塗れた燃えるような瞳でその背を睨み付けた。
呑気にいい人だなんて思ったあたしが、馬鹿だった。カルミナ族のアム。ノエルを傷つけた男。絶対に、許さない…!
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