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あいらぶらざー!
悪い人と姉
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んて、考えたくも無い・・・。



「ルッペンがなぜ裏依頼だったのか教えてやろう。ルッペンの体液は、混じりけの無い濃硫酸だ。皮膚も武器も、触れた傍から溶け落ちる。退治しても五体満足で済む保証はないんだ!」



 アムが強くあたしの肩を抱いた。あたしもアムにしがみつく。



「うへ、うへ、うへ・・・」



 さっきまでバカにしていた鳴き声が、急に不気味に聞こえてくる。



「囲まれた・・・」



 アムが嫌なことを言う。



「もう二人では逃げられないな。・・・いいか、サラ。その外套は特別製だ。濃硫酸も防ぐことが出来る。俺が合図をしたら、それを被って蹲っているんだ」



「え、待って、あんたは、あんたはどうするのよ!」



「俺は大丈夫だ」



「大丈夫なわけ無いでしょ!あたしはいい。あんたのものだからあんたが着て!」



 あたしが外套を脱ごうとする手をアムが止めた。



「本当に大丈夫なんだ、俺は。カルミナ族だから」



 よくわからないことをアムは言う。カルミナ族も人間では無いのか。カルミナ族だから大丈夫とはどういう意味だ。



「大丈夫なわけ、ない・・・!」



 あたしは叫んでアムの胸を押した。



「アム!あんたが思ったよりいいやつってのはもう分かってる。あたしを助けようとしてくれているのよね。でもね。守って貰わなくていいから、あんたはこれ着て、逃げて。あたしなら大丈夫。こんなところで死ぬ気は無いし、ひとりでもどうにか切り抜けてみせるから」



「サラ・・・」



 アムが強く、その両の腕であたしを抱きしめる。



「俺を信じてくれ。お願いだ。おまえを絶対に傷つけさせないと誓うから。信じると、そう言ってくれ」



「あたしのことはいい。でも、『信じる』」



 あたしは躊躇なく言った。なんとなく、この男は、信じられると思った。



「ありがとう」



 男は少しだけ驚いた顔をして、それからふわりと笑った。邪気の無い笑顔だった。普段仏頂面だからか、笑うと年相応に幼く見えた。



「伏せろ!」



 レアな笑顔に驚く暇なくアムが叫んだ。あたしは咄嗟に外套を被って蹲る。視界が闇に染まる。



「うへ、うへ、うへ」



 鳴き声が近い。本当にアムは、アムは大丈夫なんだろうか・・・。



 でも信じると言った手前、あたしは、心配ないと言うアムを信じて祈るしかない…。



「うへへぇ」



 ドクドクと鳴る心臓の音がうるさい。土を踏みしめる音、草が擦れる音、そう言うも
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