良い人と姉
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く。
「え・・・?もしかして手伝ってくれるの?ルッペン退治」
「おまえは何か誤解をしているようだが・・・手伝うも何も、もともと俺が受けていた依頼だ。それをおまえに手伝わせてやる。逆に都合が良いぐらいだ」
「え!ああっ!先に受けてた人ってあんただったの!?」
「ギルドに行ったのか」
「行ったわよ。行かなきゃ受けられないでしょ」
「おかしいな、ルッペン退治は多重請ではなかった筈だが・・・」
あたしはギクリとした。ギルドで受けられる依頼には多重請と単一請がある。それは簡単に言うと、同じ依頼を沢山の人が受けられるか、それとも一人の人が受ければそれでもう誰も受けることができないか、だ。それは依頼の性質によって変わる。基本依頼は単一請だけど、たまに多重請の時もある。それは往々にして、達成するのが難しい依頼の時だ。皆が失敗するので、多重請にして成功率をあげようとするのだ。達成が難しくても、複数人が関わると危険な依頼は単一請。表に出せないような依頼も、基本は単一請だ。そう、このルッペン退治のような・・・。
「ま、まぁまぁ、いいじゃないの。誰にだって間違いはあるわよ」
「そもそもどうして依頼を・・・まさか倒したのか?おまえが?」
依頼を受けるために、ギルドにいた男共を全員倒したのかと聞いているのだ。そのありえないと言わんばかりの口調に若干イラッとしながらも、あたしは首を振った。
「倒してない。ムキムキポーズしっかり決めてきたわよ。え、まさかあんたも・・・」
「誰がするか!」
「そうよね・・・」
このクールぶっている男がガチムチ相手にムキキ〜とやっているところなんて心底気持ち悪いので想像したくもない。
え、でも、てことは倒したのか、全員・・・。
あたしはちらりと男を見上げた。
強いんだ、やっぱり・・・。
「なんだ」
あたしが見ていることに気づいた男が言う。
「ううん。強いのかなと思って」
「ふん」
男は鼻を鳴らしただけで答えはしなかった。
「それ、棍よね。東の方の国の武器って母さんから聞いたことある。本物見たの初めて。高価そうなものだけどいくら?」
「貰ったものだから値段はわからん」
「え、いいなぁ。あたしこう見えても剣士なのよ。でも目下持ってるのはサビれた短剣一本だけ。そういう立派な武器欲しい・・・」
言いながらあたしははっと我に返った。この男には積もり積もったウラ
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