空白期 中学編 15 「萌える少女」
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う片方は勢い良くショウくんに跳びついてじゃれ始める。
いきなり顔に飛びつかれれば驚くのは当然だけど、慌てるように体をバタつかせるショウくんというのは少し貴重な光景に思えた。
「ショウくん大丈夫?」
「ああ、ひっかかれてはない……」
ショウくんは顔に跳びついてきた猫を掴みあげながら、どこか呆れたような顔を浮かべる。
「どうかした?」
「いや……何ていうかレヴィみたいな奴だと思って」
確かに掴み上げられているのにどこか楽しそうな顔をしている猫の姿は、貶されているのに褒められたと勘違いしているときのレヴィちゃんに似ていた。
その猫の行動を詫びるようにショウくんの手を舐めるもう1匹は、何となくフェイトちゃんのようにも思える。ショウくんがお前を怒っているわけじゃないと言いたげに頭を撫でると、気持ち良さそうに目を細めた。
考えておいてなんだけど、実際の人物に置き換えるととてもイケない構図になってしまう。なので脳内変換するのはやめることにした。
「ふふ、ショウくん人気だね」
「すずか、人気っていうのはシュテルみたいな状態を言うんだよ」
照れ隠しなのかそう言ってショウくんは、レヴィちゃん似の猫を私の頭の上に乗せてきた。彼がこういうことをする相手は限られているのでほんの少し嬉しかったりもする。まあ私がはやてちゃんとかだったらチョップでもされたんだろうけど。
まあ……シュテルちゃんは凄いよね。前に私の家に来たときなんか、気が付けば猫で埋まってたし。シュテルちゃんに勝てる人はそういないんじゃないかな。
「あれは……ある意味異常なんじゃないかな」
「それは言える……すずかって時たま毒吐くよな。あれか、アリサあたりと話しててストレス溜まってるとか」
確かにアリサちゃんは素直じゃないし、怒りっぽいところがあるからほっぺとか引っ張られることはあるけど、凄く良い子で私の親友なんだから。ストレスなんて溜まってないよ。反応が面白いから偶にからかったりしてるし。
むしろ、アリサちゃんのほうがストレス感じてるんじゃ……まあ互いにやったりやられたりしてるからお互い様だよね。
「ショウくん、そういうこと言うと怒るよ」
「怒ったら可愛い顔が台無しだぞ」
「言うならもっと気持ち込めて言おうよ」
「それ、自分から口説けって言ってるようなもんだぞ」
1秒ほどの沈黙の後、私達はほぼ同時に吹き出した。
猫がいることで舞い上がってるのもあるだろうけど、みんなと比べれば大人しい私が、男の子とこのような会話をするなんて実に不思議だ。でも嫌な気分じゃない。むしろ、このように自然体で楽しめる異性がいるというのは喜ぶべきことだろう。
「……人も多くなってきたみたいだし1回出るか?」
「うん……名残惜しいけど独占
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