空白期 中学編 15 「萌える少女」
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ないで近くに行ったらどうだ?」
「うん」
お言葉に甘えて1番近くにいた白い猫ちゃんに私は歩み寄る。お店の猫だけあって人に慣れているようで逃げたりはしなかった。
はぅ……可愛い。目はくりくりしているし、耳の形も良い感じ。肉球もなかなか……撫でてあげたら気持ち良さそうな顔をしてくれるし、幸せ過ぎるよ。
「これはシュテルちゃんに教えてあげないと」
シュテルちゃん、ああ見えて猫好きだし、この幸せは私だけで味わうのは勿体無い。でもシュテルちゃんってひとりだとこういうところ見たりしても入ったりはしないだろうから、今度誘ってあげようっと。
白猫を可愛がっていると他の子達も寄ってきたので、私はまとめてモフモフすることにした。これほどの幸福感が得られるなら毎週のように通ってもいいかもしれない。
ショウくんは楽しんでるかな?
そう思って周囲を見渡すと、壁際に腰を下ろしてこちらを見ている姿が見えた。彼の顔は微笑ましい。どうやら猫と遊ぶ私を見てあのような顔をしているようだ。
ずっと見られていたかと思うとさすがに恥ずかしく思ってしまう。というか、私を見てないで自分も猫ちゃんと遊べばいいのに。そのように頬を膨らませそうになったが、よく見てみるとショウくんの足元に1匹の猫が居た。
その猫は構ってほしいと言わんばかりにショウくんの足に頬ずりしている。仕方がないと思ったのか、彼は小さく息を吐いた後、優しく猫の頭を撫で始めた。
……ショウくんのああいう顔、久しぶりに見たかも。
猫に向けているショウくんの顔はとても優しげだ。あのような顔は……前はよくはやてちゃんに向けていた気がする。今では呆れたり、不機嫌そうな顔ばかり向けている気がするけど。
今みたいな顔してれば、もっと女の子にもモテると思うんだけどな。まあ今でも充分にモテてるんだけど。同年代の子より落ち着いているからクールだって認識されてるし、勉強も運動もできる。料理の腕前も小学校のときの家庭科の授業で知ってる人は知ってるし……言い方はあれだけど優良物件だよね。
そういえば、前にこの手の話をしたとき、シュテルちゃんが少し違った反応をしてたような……。
シュテルちゃんとショウくんの関係は、何ていうか友人以上みたいなところがあるけど、恋人って感じの気配はない。シュテルちゃんも前に仕事上のパートナーって言ってたような気がするけど……でも、ひょっとするとひょっとするんじゃ。
チラリとショウくんを見てみると、じゃれついていた猫が離れて行っていた。自分から甘えていたのに気が済んだら離れていくあたり気まぐれさんだ。まあそこも魅力的なんだけど。
「あ……」
今度は別の子が近づいていってる。同じ毛並みだけど兄妹とかなのかな。片方は慎重というか顔色を窺うような感じだ。も
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