「掃除のお姉さんは6年生」
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1年生の時に、お昼に6年生が掃除に入ってくれた。1年生の時は、2学期までは午前授業だったので、僕らが帰ったあとの掃除だった。僕は、学校内の学童に通っていたから、自分のクラスを掃除してくれる6年生に気付いたのだった。
6年生といえば、1年生にとって、学校の中で一番大人に近い存在だった。外から教室をのぞいていると……
「このクラスの子?」
と、声をかけられた。
「うん」
「名前は?」
「ミズキ」
6年生のお姉さんは、僕を手招きした。
「ミズキ君の席はどこ?」
僕は指を指した。
「じゃあ、良く拭いておくね!」
掃除が終ると、お姉さんが近付いて来た。
「ねえ、肩車してもいい?」
と、お姉さんが言った。この時、6年生のお姉さんは、何人もいて代わりばんこに肩車してくれた。ちょうど金曜日だったので、次の週にまたお姉さん達に会えるかな?と思って見に行くと、お兄さん達が掃除をしていた。掃除当番は、班で週代わりだった。だから可愛いがってくれたお姉さん達に、会えるのはまた、しばらくたってからだった。
それから時は経ち、今度は僕が6年生のなると、同じく1年生の教室の掃除をした。掃除をしていると……
「ねえ、なにしてるの?」
と、1年生の女の子が声をかけて来た。僕は、6年前を思い出していた。でも……
さすがにスカートはいた女の子に「肩車してあげようか?」は恥ずかしくて出来ないよなあと、思ったのだった。
おしまい
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