第十三話
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事件まで起こっている。
「ぶっちゃけると、今すぐ海鳴市を離れてもらいたいとすら思っているんだ。」
「なによそれ!?私たちだけ安全圏で見てろっていうの!?」
葵の言葉に、アリサは憤慨していた。すずかも、葵の言葉の正当性を理解はしているが、許容は出来ないという気持ちのようで、頬を膨らませている。
「・・・うん。確かに、戦力にならない私たちがいても邪魔なだけかもね。」
「お姉ちゃん!?」
だが、すずかの姉である忍は冷静に状況を把握していた。
「私たちの家の力を使えば、人海戦術はできるわ。街に散らばったジュエルシードを探すのに、人数は大事かもしれない。・・・でも、発見したジュエルシードが暴走していたりすれば、その人の命に関わるかも知れないのよ。」
(それに、フェイトがジュエルシードを探しているかも知れない。二次創作でも、たまたまジュエルシードを発見した主人公を襲うって内容が多かったからな・・・。母親に喜んで貰いたいって一心だったんだろうが、思い込んだら一直線な性格だし・・・)
一般人を襲うとは思いたくないが、可能性は否定出来ない。何せ、『暴走したらヤバイ』と言われているジュエルシードを探す為に、広範囲に魔力をぶつけて暴走させるという荒業さえ使う娘である。しかも、一度ならず二度までも。
自分の技量に絶対の自信があったのかもしれないが、失敗すれば自分の命だけでなく、地球人類70億人の命も失われることが理解出来ていたのだろうか?
(―――出来ていなかったっぽいよなー。母さん母さんって一直線で、他のことなんて目に入らない感じか。後先考えないって厄介なんだけどな・・・)
生まれてから殆ど、親から愛情を受けていないのだから当然とも言えるが。あれくらいの歳で女の子だ。愛情に飢えていても仕方がない。情操教育なども受けていたのかどうか・・・。あれだけ優しい少女に育ったのが奇跡である。
「ジュエルシードは、俺たちが対処する。出来るだけ早く終わらせるから、安心してくれ。」
硬い空気を吹き飛ばそうと笑いかけるも、それを見たアリサはますます激高する。
「―――!もう知らない!勝手にすればいいわ!」
行こうすずか!と、まだ話したいことがありそうなすずかの手を引き、部屋を出て行ってしまうアリサ。バタン!と荒々しくドアを閉めると、そこに残るのは静寂ばかりであった。
「・・・怒らせちゃったか。」
分かっていたことではある。彼女の性格的に、見過ごせないことだっただろう。しかし、下手に手を出せば、暴走して地球が危険にさらされる可能性もある。頭のいい彼女はそれを理解していたが、どうしようもない現実に苛立っていたのだ。
問題があって、それに対処する親友たちがいるのに何もできない
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