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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
ニ十二話 世界最強の少女
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に最強のチャンピオンと呼ばれるのはこの称号のためだ。文字通りの“負け無し”……其れが、彼女が最強たる所以なのである。
[無敗のチャンピオンの練習風景なんて、誰でも見たいでしょうからねぇ]
「そ、そんな大した人間ちゃうんよ……それに、其れを言うたら君のご主人様の方が凄い……せやろ?クラナ・ディリフス君」
「いえ、俺は……というか、気が付いてらっしゃったんですね」
「うん、君の映像、前に何回か見たことあるんよ。ヴィクターも一緒に。背ぇは大分高くなっとるけど、君の顔あの元気な子まんまや」
可愛い弟でも見るように優しげに微笑んだジークリンデに、クラナは苦笑して応じた。
「お見苦しい物をお見せしまして……」
「そんな事あらへんて!ウチ、君の試合好きなんよ?凄く楽しそうに闘ってて、みててワクワクするから」
「えっと、その……ありがとうございます」
真っ直ぐに褒められたせいか、頬を朱くしながらクラナは頭を下げた。何と言うか、普通に可愛い女性であるためもあるだろう、初対面の女性にこうも真っ直ぐに笑顔を向けられると、むずがゆい気持ちになる。
「それで、今日はたしか……」
「あ、はい。スパーリングをお願いしたくて来ました」
「ん。あ、でも、もしかしたらヴィクターから聞いてるかもしれへんけど……」
「はい。武装無し、格闘技のみの組手だけ、ですよね。聞いてます」
「うん。ごめんなー?ウチ、あんまりちゃんとした試合形式のスパーリングってやったこと無いんよ。せやから……」
やや申し訳なさそうな顔をして言ったジークリンデに、クラナは即座に首を横に振って答えた。
「……いえ、十分です。お願いしている立場ですから、よろしくお願いします」
「……うん!ほんなら、今から一本やろか?」
「…………!」
────
数分後には、二人は河原近くの林の中。少し開けた小さな広間のような場所に立っていた。
浅く生えた若草と柔らかい土が丁度良いクッションになる此処は、ジークリンデの練習場所の一つなのだと言う。自然の中に出来た即席のリングだが、危険な石や木の排除された空間は、使う人間が丁寧に整備した跡が見られた。
[うーん、それにしてもあんなことがあったのにもう練習とは、相棒もエレミアさんも何と言うか、こだわらないタイプですか?]
「アル……」
「うぅ、もう言わんといてぇ」
クラナがやや溜息が地に、ジークが恥ずかしげに頬を赤らめながらそう言う。が、彼女は一度頬をパンパンとたたくと、気を取り直したようにしゃっきりとした目でクラナを見た。
「まぁ、クラナくんが悪い人やないってことはもう充分わかったし、ホント言うと、ウチもはようクラナくんのストライクアーツ、見てみたいんよ」
腕をグルグル回して、真っ直ぐにクラナを見つめるジークリンデに
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