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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
ニ十二話 世界最強の少女
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姿を美しく飾りながら落下する。透明な雫が彼女の背筋を伝い、細く磁器のように滑らかな肢体を強調する。あるいは妖精のようですらあるその少女は、クラナが踏んだ小さな木の枝の音を聞いて、緩慢な動きで振り向いた。
彼女の深い藍色の瞳の視線と、クラナの真っ黒な瞳の視線とが、はっきりと交差する。一瞬の静寂が二人の間を包み込み、小さく息を吸い込んだ少女の薄い唇から……

「ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!?」
それはもうとんでも無い声量の悲鳴が飛び出した。
まあ幾ら美しく幻想的に描写してみても、結局の所のぞいて居る事に変わりはないのである。

「ごっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃ!!!!!」
ようやく我に返ったクラナもまた、全力で後方を向いてとにかく謝り謝って謝る。
流石に久々に見る女性の裸体は、健全な15歳の男子である彼には刺激が強すぎたらしく顔から火が出そうなほどに朱くなっている。

「な、なんでぇ!?突然人っ……なんでぇ!?」
「ご、ごご、ごめんなさい俺っ、俺、まさか水浴びしてたなんて、ほ、本当にごめんなさい!」
それにしても双方ともにえらいパニクりようである。全く会話が成立していない。不毛な疑問と謝罪の連鎖に流石に困り果てたのかアルが声を上げた。

[あのぅ、お二方共、ひとまず落ち着いて下さい。深呼吸しましょう、深呼吸]
「あ、アル?そ、そうだな……すう、はあ……」
「せ、せやね……すー、はー」
言われて二人は非常に素直に深呼吸を始める。アルが内心苦笑している(まあデバイスなので内心以外苦笑しようがないが)とはつゆ知らず、二人は一斉に深呼吸を始める。ようやく少し冷静さを取り戻した二人は、それでもやや裏返った声で会話を始めた。

「え、えっと、とりあえず、き、君、どうしたん?こんな所で……」
「あ、いやその……俺、人を探しに来たんです、ヴィクトーリア・ダールグリュンさんの紹介で、その……!」
「ヴィクターの……?あ……も、もしかして、男子の部の出場者くん……?」
「あ、は、はい、それで、その人を探してるんですが……」
「ご、ごめん其れ多分ウチや……!」
クラナの後ろで、焦ったようにパシャパシャと水の跳ねる音がした。少しして、控えめな声がする。

「あの、振り向いても、ええよ……?」
「は、はい……」
言われておずおずと振り向くと、其処にはタオルけっとを巻いた先程の少女が立っていた。髪や身体にまだ水滴は付いているが、身体の大部分はタオルで隠されているので、先程までよりは大分ましだ。

「ひ、ひとまず、始めまして……やね。ウチはジーク……ジークリンデ・エレミアいいます。君は……?」
「高町クラナ、です……」

────

「あー、そやったらウチ
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