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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
ニ十二話 世界最強の少女
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ウチ一人で寝るにはちょっと広過ぎな位スペースに余裕あるテントやし、毛布もあるんよ?」
「い、いやいやいや!だって、俺男ですしモラルとか……」
「あー……それは、そやね」
今更気が付いた。と言うように、やや残念そうな顔で言ったジークリンデにほっと息を着いたクラナに、ややからかうような調子でアルが言った。
[相棒〜、もしかしてまた変な事をするおつもりだったのですか?]
「しないよ!?何言ってんだよ!?」
[でしたら、別段問題無いのでは?]
「あ、せやね!」
「!?」
なんとあっさり納得してくれたジークリンデに、クラナは戸惑いながら彼女を見る。と、何故か何処となく嬉しそうに笑顔を浮かべているジークリンデが居た。
「で、でも……」
「あ、いや、クラナくんがお家に帰りたかったら其れでええんよ。なんなら、ヴィクターにお願いして迎えに来てもらってもえぇから。でも、ウチはもうちょっとクラナくんとお話したいなー、おもて」
あははは、と笑いながら言うジークリンデに、クラナは少しだけ複雑な気持ちになった。
正直な所、クラナ自身ジークリンデから離れがたいと言う気持ちが無い訳ではない。これだけ気の合った人とこのまま別れてしまうのは残念だし、本当のことを言えばもっと色々な話を聞きたいとも思う。
だが今日初めてであった男女が同じテントで寝ると言うのは矢張り問題がある気がする。かと言って外に寝るのは辛い物がある……が……
「(何て言うか……)」
「?」
もう一度、ジークリンデを見る。緊張も羞恥も特に考えていなさそうなその顔を見るに、本当に対して考えなく言っているのだろう。そう思うと……
「……はぁ」
自分だけ真面目に考えているのが、急にばかばかしく思えてしまった。
「分かりました……その、一晩だけ、お世話になります」
「ん!よろしく!」
ぺこりと頭を下げたクラナに、ジークリンデは嬉しそうに頷いた。
────
「ほい!出来たで!」
「……こっちも出来ました」
ややテンション高めに言ったジークリンデに、クラナが返す。先程味噌汁をのんだ焚火の前で、クラナは魚を焼いていた。
「……それにしても」
「んー?」
小さく呟いたクラナに首をコテンと傾げてジークリンデが返す。そんな彼女に苦笑しながら、ぱちぱちと音を立てる焚火の脇で焼ける魚を見ながらクラナは呟いた。
「……いえ、魚用のトラップに……ちょっと驚きました」
「あー、うん。あれ実は、ちゃんと出来るのにひと月ぐらいかかったんよ〜」
[おー、アウトドアなれしてらっしゃいますねエレミアさん!]
「そんなことあれへんて〜」
ジークリンデの寝泊まりしているテントわきの川には、彼女御手製の魚取り用の罠が仕掛けられていて、夕方だと言うのに焼くための魚まで確保す
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