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艦隊これくしょん History Of The Fleet Girl's Wars
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連帯を掲げたのだ。つまるところ、アジア全体の解放とその後の連合でもって深海棲艦との対峙をしようというものだ。しかし、それだけならよいのだが、速戦を迫ってこられるとは予想していなかった。
「ついては、ポートモレスビーの堅守と、その先のソロモン海の解放を目指すべしということです」
「それも、陸棲型の存在が明るみに出てしまったがゆえに『合理的』と地図上判断できる速戦での撃破、か」
「厳しいのう。こちらには金剛型が四人いるとはいえ、敵の泊地に奇襲をかけるには役者不足じゃぞい?」
利根が吐き出すように言った。自分の力をきちんと理解した上での発言であり、過信などは一切なかった。
「利根〜、ちょっとは金剛型を信用してほしいものデス。でもブレークタイムが足りませんネ」
金剛が肩をすくめるが、茶化したような感じではなく、こちらも溜息混じりである。
利根はこういった作戦会議の場では熱くなる傾向にあるが、作戦が決まってしまえば黙って従う。いつも通りならここら辺で引くところだが、MO作戦の遂行後それほど経っていないことから準備不足による敗戦を恐れているためにかなり不満がたまっている。
「それに先日のMO作戦の実施で、皆疲弊しておる。いつまでこの国は官僚どもが頭で戦争をしておるのじゃ!」
利根が怒りにまかせて机をたたいた。隣の筑摩がなだめると、小さく、すまぬと言った。
「利根、軍議の場でそのような感情に任せた態度をしては、それこそかつての私たちの過ちを繰り返すことになるわよ?ただ・・・」
加賀が、ため息をつきながら言う。
「利根の言うことにも一理あります。このまま大規模な戦闘に入れば、我々は持たないでしょう。提督はどうお考えで?」
「抗命して軍法会議にかけられちゃ、豚箱行きだし、やるしかないでしょ?ただもちろんこちらだって策なしで挑むわけじゃあない」
皆の視線が集まってくる。期待の目線であり、同時にかつての敗戦の記憶のために憂いもある。
「作戦に関しては大本営との交渉で、トラック泊地駐留戦力を指揮下に入れることが承認された。これによって扶桑型との連携を取ることが可能になった。利根、金剛、すまないが、戦力はこれで我慢してくれ」
「さすが、テートクね。きちんと戦力強化の手はずを整えてくれてるとは」
「うむ、さすがじゃ。じゃが、肝心の運用について話を聞かせてくれ」
「ああ、突っ込むところはきっちりしてるな」
スクリーンにレーザーポイントを当てる。そこはちょうど、ここ呉鎮守府だった。
「まず、呉鎮守府より、金剛型四名をはじめとして、一航戦、二航戦、龍驤、最上、利根型の二人、時雨と夕立がトラック島へ出撃する。一方、トラック泊地では先に扶桑型率いる艦隊がポートモレスビー入りを目指して南下を開始する手はずとなっている」
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