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艦隊これくしょん  History Of The Fleet Girl's Wars
ブリーフィング
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ちの次なる戦場であり、下手をすると死に場所の決定であるからだ。
「そして、次なる作戦はここです」
比叡がレーザーポイントで示した先はオーストラリア大陸の北東方向、現在人類にとっての最東端、ポートモレスビーの目と鼻の先、ソロモン海域である。そこはいまだ、深海棲艦の住まう場所であり、彼らの支配下である。
「なぜ、今そこなんじゃ?」
老人のような口調でありながら声そのものは若々しい女性の物である、利根が疑問を口にした。彼女は呉鎮守府の中でも参謀的役割を担っており、現場指揮においては峰が最も信頼を置いている艦娘の一人だ。
「それについては俺から話そう。比叡、おつかれさん」
「あ、はい。助かります〜」
泣きそうになりながら比叡が席に着いた。
「先日のMOにて作戦でポートモレスビー一帯を制圧していた敵艦隊は撤退した。これは、君たちの働きが大きい。ただ、敵が負けたまま何もしてこないということが大本営の懸念事項だった」
「つまり、再起を図っていると?」
空母勢の座っている場所から加賀が物静かに質問を口にした。
「そのとおりだ、加賀」
 加賀は歴戦だけあって勘が鋭い。無口で苛烈な性格を除けば十分に鎮守府の最強の一角を占められる存在だ。
 「先日、米国の衛星が撮影した写真に写っていたものだ」
 スクリーンの画像が切り替わった。それと同時に全員の顔が驚きの顔に変わる。スクリーンには巨大な深海棲艦の支配場所であることを示す黒雲がソロモン諸島全域を覆っている画像だった。
 「大きい。それもかなり・・・」
 赤城が感想を漏らした。それは当然、全員の感想でもある。深海棲艦はその勢力圏に巨大な黒雲をもたらす。自らの縄張りであることを示しているかのように。そして、今現在のソロモン諸島の上空はほぼすべてがその雲によって覆われている。
 「合わせて、偵察部隊として送り込んだ伊168と伊58、それに伊19の定時連絡によると、陸棲型が現われたらしい」
 「oh、まるで要塞か飛行場ネ」
 金剛が思い出したようにして声を上げた。その声はうれしそうな声でありながらどこか切羽詰っていた。どうやら金剛の中では今の状況がどうなっているのかと得心が言ったようだ。
 陸棲型とは、文字通り陸上に上がった深海棲艦の事である。彼らは最近になってようやく姿を現し始めた深海棲艦の一種である。特徴としては、その超耐久性と航空戦能力である。しかし一方で弱点としては機動戦に参加できない点や、三式弾による攻撃が有効な点が挙げられる。
 「ここにきて新型を投入してきた・・・。しかも陸棲型の巨大基地。つまり、司令、これはこちらの前線基地の正面・・・これは、こちらとの長期戦に入ろうとしていますね」
 「さすが、霧島。脳筋疑惑は晴れたな」
 「司令!」
 「こら、司令!金剛型にその話題は振るな
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