短編31「天井の女の子」
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って、僕は天井に向かって声をかけた!
「ねえ!キミは誰なの?」
天井に変化はなかった。
「ねえ!そこに居るんだろ?ねえ!!」
僕が何度か天井に聞いていると……
ニョキ
と、顔が出て来た。いつものごとく、無表情の女の子がそこにいた。
「ねえ、キミは誰なの?」
逆さだが、良く見ればかなりの美人だった!
「それより、アナタこそ誰?」
女の子は冷たい瞳のままで、僕に聞いて来た。
「ぼっ僕?僕はただの……ただの……ただの学生さ!」
僕がそう言うと……
「そう……」
と、言って天井に引っ込もうとした。
「ちょちょちょちょ、待って待って!」
女の子の顔の半分が引っ込んだ所で、改めて顔が出て来た。
「何?」
無表情の女の子が僕に聞いた。
「あっあの〜。なっ、なんで僕を助けてくれたの?」
そう僕が言うと、無表情の女の子がさらに無表情になった。
「アナタが助けてって言ったから」
「えっ!?」
と、僕がビックリしている間に、女の子は引っ込んでしまった。
でも、その後も女の子は僕が答えに詰まると現れては助けてくれた。そしてまた放課後……
「ねえ!キミは幽霊なの?」
何度も呼ぶうちに、天井の女の子はすぐに現れるようになっていた。
「分からない」
「だって頭だけ天井から出てるなんて変だよ!ね〜幽霊なんでしょ?」
「じゃあ幽霊なのかも知れない」
と、女の子は無表情のまま答えた。僕はもう聞くのをやめた。その代わりに……
「ねえ勉強得意なんでしょ?僕に教えてくれないかな?」
と、天井の女の子に聞いてみた。すると……
「いいわ」
と、答えてくれた。
それからは放課後になると僕は教室に残り、天井の女の子と勉強をした。女の子の教え方はとても上手く、僕は段々と勉強が好きになっていった。それから僕は授業が楽しくなった!
「はい!答えは……」
と、積極的に答えたり……
「お前、成績良くなったなあ」
と、先生に誉められた。その日の放課後……
「先生に誉められたよ!」
と、天井の女の子に言うと……
「そう良かったわね」
と、無表情に答えた。
「キミってさあ。頭だけに頭がいいんだね!」
と、僕がいい気になって冗談を言うと、天井の女の子は一瞬、怒ったような顔をしたかと思うと、いつもの無表情になり……
「つまらないわ」
と、言ったが、少し微笑んでいるようにも見えた。
その後、僕の成績はどんどん上がっていった。またある日の放課後、天井の女の子と勉強をしていると……
「あの席の男の子の趣味は……
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