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極短編集
短編25「ジャンクフード」
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る人はいるもんだ』

 と、思った。

「なあ、うちで働けよ。人間性は信用する!」

 僕は、店長の言葉に頷いた。

 「よし!」

 そういうと店長は引き出しから封筒を出し……

「このくらいでいいかな?いや、もう一枚入れちまえ!」

 そう言って、自分の財布から万札を出し封筒にいれたのだった。

 「今日は遅いし、疲れもある。明後日から来てくれ」

 そう店長は言って封筒を手渡してくれた。
 その翌日。

「おはようございます!」

 僕はビジネスホテルでさっぱりしてから、1日早く店に行った。誠意を見せたいと思ったからだ。店長は驚いていた。でもこの行動のお蔭で……店長の口利きで、すぐに家が見つかった。

◇◇◇

「まっ、そんな詰まらない理由が、僕の働く為の理由さ」

 僕は、後輩に話し終えた。後輩は赤ら顔になっていた。

「まあとにかく、楽しく仕事をしようよ!」

 僕は、後輩の背中を叩いた。後輩の足元の床に……水玉模様が出来ていた。
 人生は、どこで変わるかなんて、誰にもわからない。

「さあて、客が来たぞ!」

「いらっしゃいませ!」

 確かに、たかだかジャンクフード屋だ。でも、僕はこの店の、ファーストフードの仕事に誇りを持っている。
 
 そんな人は……



 結構、たくさんいるんじゃないかな?

おしまい


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