第四章〜おいしいごはんに誘われて〜
第十七話
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うよ。もう上半身はいいから下半身くらいは隠して。頼むから。
そんな格好で出歩かれると目の毒だよ、眼福じゃなくて。つか、まつさん止めてよ。旦那さんをさぁ……。
「……ええっと、加賀のお殿様とも知らず露出狂と間違えてすみませんでした。それじゃ、私はこれにて……」
本当、正直これ以上は関わりたくねぇと思ったこともあって、早々と退散することにした。
何と言うか、これ以上関わり合いになっても百害あって一利なしって感じがしたしね。
しかし。
「待て」
呼び止められて振り返れば、二人が実にいい笑顔で私を見ている。
……何その笑顔、ある意味怖いんですけど……。
「料理の名人ならばここにいるぞ」
そう言って露出……いや、利家さんが指したのはまつさんだった。
ええっ、奥さんの事だったの!? それじゃご相伴に預かるのは無理じゃないの……。
「驚かせてしまった詫びだ、寄って行け。いいよな? まつ」
「ええ。腕によりをかけますれば」
ラッキー……? いや、まぁ真っ当な飯が食えると思えばいいじゃないの。
ここ最近の食生活と言えば、出来るだけお金を使わない様にって雑草を食む日々だったし……久々にまともなものが食べられる。
関わり合いにはなりたくないけど、タダ飯が食えることと身の危険を秤にかけたらタダ飯が食らう方に傾くのは当然のことだよね。
「お言葉に甘えて!」
というわけで、結局私はご飯に釣られて二人と一緒にお城へと向かう事になりました。
知らない人について行っちゃいけません、そんなことを生まれ変わる前も生まれてからも教わったような気がするけど……
まぁ、ご飯が食べられればそれで良いです。もう雑草生活を続けたくないもん。
ごっはん♪ ごっはん♪
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