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極短編集
短編15「シャボン玉」
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んの姿に重なって見えていた。

「分かった」

 そう少年が答えるのに合わせて、男は少年にシャボン玉のストローを手渡した。
 少年は受け取るとストローをくわえた。ふぅっと息を吹いた。するとシャボン玉は、フワフワと浮かび上がった。そして間も無く風に乗り、高く高く舞い上がり、とうとう海の彼方に消えて行った。
 その様子を見た少年は、なにか吹っ切れたものを感じた。そして少年は男に向かって言ったのだった。

「ありがとう……



 お父さん」

 と。

おしまい

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