約束
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て... ありがとうございます」
「助けて欲しかったのか? じゃあなんで」
「殺したくない。人を殺したくなかった」
そう言えばそうだったな...
確かに殺したくないと言った。正確には頷いた
「人を殺さないとどうなるか知ってるか?」
「知ってます...」
人を殺さないとどうなるか... 簡単なことだ、この世は人を殺すことで回っている。なのに殺さないと言うことはルール違反.... つまり、消える
黄色の奴は七日の間人を殺さないと青になる、青の奴は三日の間人を殺さないと消えるのだ
死体が何処かに逝くのと同じようにな
「じゃあ、人を殺めなければいけない理由。わかるよな?」
「はい... でも、でもっ!」
「でも?」
殺りたくない。その一言のみしか少女にはないのだろう。どれだけその言葉を重ねたって意味が無い。そう思ったのか、少女はその一言は言わなかった
埒が明かなくなり、先ほど助けたときのようにその場から立ち去ろうとすると...
「あの...」
ちらりと少女に目を向けた
「ついてっても... 良いですか?」
少女は自分の手に拳を作り、強く握り締めてそう言った
反対しようと思った、だが... この少女の着けている腕輪、青になりかけの黄色腕輪にどうしても目が行った
ちっ...
軽く舌打ちし
「好きにしろ」
■■■
少女は今まで、同じ黄色の仲間と過ごしていたらしい。少女が黄色の状態を保っていられたのもその仲間のお陰だそうだ
やはり、その仲間は先ほどのようなことをし、死にかけの奴を殺らせる。これで頑張っていた
だが、それをやって行くに連れ、仲間達は去って行った。そりゃ、自分の手柄を他人にやるんだ。いくら仲間とは言えど、そんなことを続けていたらそのうち嫌気が差すだろう。その結果だとよ
話を聞くに、一人だけ仲間が残っていたんだと
そいつは少女を守った、守り抜いた。だが、少女の腕輪は青だった。その仲間が最後にやったことは、自分を殺させることだった。ボロボロだったその仲間は、少女に殺らせた。自分をな
そんなこともあってか、少女は人を殺るのが嫌になったんだと...
ソファーに座り、いつも通りなんの味もないパンの味しかしないただの食パンを囓っている
少女は遠くの方で体育座りしている
「なぁ、なぁよ」
少女を呼んでみる
「ここには二人しか居ないんだ... わかるだろ?」
「名前が...あります。私には、名前がありますから」
めんどくせぇ....
「私は日向と言います。暁日向です。日向って呼んでください」
また、食パンを囓る作業に戻る
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