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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
土地の復興
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全く同じリアクションだよ、マスター」
「つまり、誰であっても同じ感想しか抱かないということだろう。これならいっそどこかの土地神でも招いた方がよさそうだ」
「“ノーネーム”に来てくれる土地神なんているのか?」
「ただの“ノーネーム”であれば無理だろうが、今ほどに有名になっていればどうにかなるだろうよ」

と、二人はどう招くかという話をしているのだが、侍女頭であるレティシアは難色を示した。

「馬鹿を言うな、二人とも。この土地は代々リリの一族が守ってきたものを借りている立場なのだぞ。私たちの独断で土地神を呼ぶなど、不義理にもほどがある」
「ああ、そう言えば宇迦之御魂神の命婦がいたな。神格保持者の直系が残っているなら丁度いい。稲荷大社には私から一報を出しておくから、新たに神格を戴こう」

サラっととんでもないことを言ったクロアにレティシアは目を点にして固まったが、しかし二人はそんなことを気にしない。

「ふぅん、今のリリでも神格を保持できるのか?」
「まあ、私とアルマ殿、それに君からの推薦状でもつければ問題ないだろう。元々彼女は宇迦之御魂神の直系の眷族なのだからな。今はまだ未熟でも、修業をしつつ神格を授かることぐらい訳も無い。リリ君ほど頑張り屋な娘なら向こうも仮免くらいくれるだろうよ」
「それって、俺から神格を渡すんじゃダメなのか?」
「ダメではないだろうが、まあ先程言っていた不義理云々もなくはないし、神格の目的が大分違う。最後にこれが一番の理由だが、リリ君の体に君の神格がなじむかどうかという問題もある。そもそも彼女は戦闘向きの人間ではないのだから」
「あー、それがあったか。ってか、もしかして俺から何人かに神格を渡したりしたんだけど、今は回収してるとは言えまずかったりするか?」
「主神が自分の眷族に与えて何の問題があるというんだい?リリ君の神格についても、似たような理由さ」

なるほどなぁ、と納得する一輝のよそで、レティシアは全くスケールの違う話に戸惑いながら、しかし同時に妙手だとも考える、
忘れられがちだが、クロアはこれでも立派な主祭神の一人なのだ。それに加えて豊穣神であるアルマテイアの推薦状があればそれで十分だろうし、さらに一輝の一筆も加えれば、彼と繋がりを作ろうという企みから乗ってくる可能性も十分に出てくる。そしてそうなれば、この土地の復興も可能となるだろう。

「・・・まあ、それが一番の手か。では、まずはリリの修行かな?」
「そうだろうね。出来るなら、誰か指導役がいるといいのだが・・・」
「指導役、ねえ・・・」

三人の頭の中には真っ先にアルマテイアが浮かんだが、彼女は基本飛鳥と行動を共にするため無理であろうと却下する。となると、次点は誰であろうかと考え・・・

「・・・あ、俺の檻から九尾出すか?」

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