会議は始まる されど踊りまくり
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にドレスを着た二人の行動は早かった。
「テメ、喜美……! ふっざけんなよこんちくしょうーーーー!!」
「おいおい姉ちゃん! 折角逆ハーレムを俺と親友築こうとしていたのに!」
水色のドレスを着た少年は帽子を地面に叩き付け、青色のドレスを着た少年は普通に鬘と一緒に帽子を外した。
密集していた男共の反応は正に神速であった。
「ふざけんな……!!」
神よ……! という嘆きの言葉が今度は広場で発生するのも時間の問題であった。
「それにしても我が王はともかく副長まで結構、似合ってますねぇ……」
広場の災害はとりあえず無視しておいて、ミトツダイラは普通にドレスを着込なしている副長に目を向ける。
普段の言動こそ3流チンピラだが、顔自体は意外に童顔である。
本人も実はそこを気にして普段の言動から男らしく見せるように頑張っているのかもしれない。
だけど、それだけで我が王レベルの変身が出来るレベルの童顔ではないとは思うのですけれど。
その内心の疑問を察知したのか。
膝を着いている被害者に塩を塗りこむような言動をやっていた我が王がこちらを見て
「ああ。ちょいと顔の方は術式でちょちょいとパーツ弄ったぜ? いやもう面白いくらいに変貌するから俺は何時の間にか何かのキャラメイク設定をしているんだっけって思ったぜ。こりゃ明日はシロによる大儲けだなっ」
未来が確定した内容はどうでもいいがやっぱりそうか。
流石に地のままだと厳しい部分があるからそこは変装系か何かの術式で変えたのか。
でも顔の方はという事は
体とかは使ってないって事ですよね……?
確かにドレスの下などは鍛えられた筋肉があるのが分かるのだが、何というか……意外に小柄である。
別に凄い小さいというわけではない。
男子としての平均身長で見ればちょっと上か下レベルの身長なのかもしれない。
でもまぁ、それはつまり普通くらいの身長というわけだからおかしいわけではないのだが……何故か自分はもっと彼が大きい人間だと思っていた。
普段の言動によるものもあるのかもしれないが、あの大剣を構えてたりしている姿や頼りになる強さのイメージが強いのかもしれない。
後ろから見る背中が大きい、と自分の内心に刻まれているのかもしれない。
それを想いだし過ぎたのか。
現実の風景と過去の思い出に浸食されて、頭の内部だけの光景に八年前の自分を守ってくれた少年の背中を一瞬、思い出してしまった。
「───っ」
周りに気付かれないレベルで首を振って振り払う。
何とも甘えた思考だ。
まだ未熟とはいえ少なくとも頼るだけの保護されるような子供ではないはずだ。
狼として他人の背中に隠れるような恥知らずな生き方は御免被る。
あの背中を見るのは違う人である
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