覚悟
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俺を助けてくれた黒髪の男。
今はその男が乗っている馬の後ろに乗せて貰っている。
これからどこに行くのだろうか?
気になったので聞いてみた。
「これからどこに行くんだ?」
「荒野のど真ん中で説明しても落ち着かないだろ。
近くの街に行って飯でも食いながら話そう。」
男は後ろを何度も振り返りながら言う。
それは俺を見ている訳ではなく遥か後方を確認しているようだった。
さっき来ていた部隊の事を気にしているのだろう。
追って来ていないと分かったのかもう後ろを振り返る事はなかった。
てか、尻が痛い。
馬ってこんなに尻が痛くなるのか。
かなりの速度で走っているので震動はかなり来る。
この男は慣れているのか全く痛そうな顔をしていない。
荒野を走っている中、俺は周りを見渡す。
俺の知っている世界の面影はどこにもない。
時々人を見かけるがどれも民族衣装のような格好をしている。
それを見てドッキリやコスプレなどという考えが徐々に崩れていく。
数十分くらいだろうか。
ようやく街について馬から降りる。
男は馬を預けて、尻を擦っている俺を見て聞いてくる。
「尻、痛いのか?」
「結構痛い。」
「俺も始めは慣れなくて痛かった。
だが、この時代で暮らす事になるんだ慣れておけよ。」
そう言って街の中に入って行く。
離れるなよ、と言われ急いで後に続く。
街を見て確信した。
完全にここは日本ではない。
時代がかかった家を街と言うのならこれは俺の知っている時代でも国でもない。
あの賊に襲われても心の奥底では違うのではと言う幻想は見事にぶち壊されたという事だ。
歩いていると周りの視線を感じた。
行き交う人々は俺をじっと見ている。
この服装を考えればそりゃあ見てしまうだろう。
ポリエステルでできた服なんて絶対ないと思うから。
唯一、俺の事情を分かっているという男は近くの家に入る。
小さな飲食店の様だ。
店員や客は俺が入ると奇妙な目で見てくる。
男はそれを無視して、一番奥の席に座る。
その向かいに俺は座った。
注文を聞きに来た店員はチラチラ、と俺に視線を向けつつ注文を聞いてくる。
「お前、好き嫌いとかあるか?」
突然、全く関係のない言葉を聞いて少し焦りながら答える。
「な、ないけど。」
「なら、適当に頼むぞ。」
幾つか料理を注文する。
店員は注文を聞いて厨房に戻る。
二人の間に無言の空気が包み込む。
男は注文を取りに来たついでに持ってきた水を飲んでいる。
意を決して俺は口を開く。
「あ、あの、俺の事情を知っているって「ストップ。」・・・・はい?」
質問をしようとすると言葉を挟まれてしまう。
「言いたい事は分かっている。
混乱していると
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