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極短編集
短編1「箱庭の中の夢」
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にはスコールが見えた。

「えっ!?」

 反対を振り向いた僕は、ビックリした。イワシの群だ!イワシの群が空を泳いでいた。

「今年は、大漁かも知れませんね!」

 船長が言った。太陽に輝き、キラキラさせて泳いでいるイワシ。きっと、空気のように軽い身体で、空を泳いでいるのだろう。

 風に波打つ麦をかきわけ、船は進んでいく。僕は、少し目を細めた。むこうの現実(せかい)に戻るため。それから、深く深く……



 目をつぶったのだった。

おしまい

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