「ツツジ遊び」
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「ねえ、ねえ、これ知ってる?」
と、友達のメグちゃんが僕に声をかけてきた。 メグは、そばに咲いていたツツジの花をつんで、花びらをバラバラにした。
「ここを、なめてみてよ」
と、いうのでなめてみると。
「あっ!甘いよ」
「ツツジの蜜だよ」
なんと、ツツジの蜜を教えてくれたのだ。 ツツジの花びらの根元の方に、ホンの一滴の蜜がある。 僕たちは、次々にツツジを摘んでは蜜をなめた。 しかしなめていると、やがてどちらからともなく……
「のど乾くねっ!」
と、言いお互い苦笑いした。
「こういうのもあるんだよ」
と、言うと今度はメグは、ツツジの花の下の方を爪でつまみ、プチッと花弁の部分を切り長いおしべや、めしべの部分を引き出した。 全部は引き出さず、ブランブランした状態にすると、メグはツツジを空になげた!
フワッ
と、落下していくツツジ。
「パラシュートだよ!ミズキ、こういうの好きでしょ」
と、メグは言った。 ほんの一瞬の出来ごとだった。でも僕には、ツツジのパラシュートが、フワッと空中をゆっくりと落下し、ユラユラと揺れながら地面にたどり着くまでの長い時間を楽しんだのだった。
小学1年の時の記憶だ。
おしまい
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