朝部活 ~1~
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「走れ!もっと速く!!」
朝、主将の大きな声が聞こえる。
俺小泉翼(17)所属しているバレー部の朝練に参加していた。
まだ眠いが、ランニングをしていることで、だんだんと眠気が覚めてきた。
「翼!おっはよん♪」
「どわっ!?」
走っている最中で遅刻魔、酒井鈴(17)がいきなり後ろから抱きついてきた。
そんな鈴をじろりと睨み付け、ランニングを再開する。
「そんな目で見ないでよぉ」
「足とかおれたら鈴のせいだから…」
「鈴君と翼君は兄弟みたいだね〜」
後ろを走っていた仲宮薫(18)さんが声をかけてきた。
「ちょっ、やめてくださいよ薫さん。こいつと兄弟とか嬉しくない……」
「なに!?酷いよ、翼!!」
うそ泣きをしながらそんなことを言う鈴を無視し、前をはしる部員たちについて走る。
少し体が重いのは、昨日の夜の寮の部屋でのことだろう。思い出すだけで、恥ずかしくなってきた。
「お前ら、真面目に走れよ」
「おはよ〜、俊君」
「かお、おはよ」
「あ、俊さんおはよございます!」
「鈴、また遅刻したな?」
「いでっ!!」
バレー部主将である、荒谷俊(18)さんが鈴のおでこに強烈なデコピンをおみまいする。
「うぅ、痛い…」
「プッ…自業自得だ」
「む〜、翼笑うなよ……」
「まぁ、お前が遅刻しなきゃいいことだろ?」
「いて、いてっ!」
主将はまた鈴にデコピンを二発打って先頭に走っていった。
この学校の男子バレー部は先輩と後輩がとても仲がいいと思う。
まぁ、その先輩後輩の繋ぎ目になっているのが俺自身だ。
自分で言うのはあれだが……。
理由は…
自分が言うのは恥ずかしいのでやめておく。
そのうちわかると、思う。
まぁ、わかってほしくはないが……。
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