暁 〜小説投稿サイト〜
乱世の確率事象改変
生死乱れる紅の狂宴
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っ! いいねいいねェ、さいっこうだね! もっと苦しンでよ! 耳の中から脳髄の奥まで虫だらけになっちゃイナ♪」

 例えば一つは……ネズミ返しが取り付けられた金属の囲い。
 敷き詰められた毒虫の群れの中で女が一人、全身を這い回られて、毒を差されて、びくびくと身体を脈打たせながら、動けないままで猿轡をされたまま、声にならない声を上げ続ける。
 ざわざわと気持ち悪く動く虫が覆い尽くした女に、げらげらと腹を抱えて笑いを上げた。
 ご機嫌な気分でステップを刻みくるりと回って、また視線を次に向ける。

「食べないでくれぇ! 俺は喰い物じゃないんだぁ!」
「だーめっ♪ お腹が空いてる子達が居るンだからァ♪ あたしの可愛いネズミちゃん達はね、あんたみたいな太った人間が大好物なンだよ♪ ほぉら、ご飯の時間だヨー?」
「ぎゃぁぁぁぁぁ! 熱い熱いあついてぇあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!」
「たぁんとお食べ♪ 逃げたら大変だから最後の食事になっちゃうけどさ、ごめーんね♪」

 例えば一つは……ガリガリに痩せたドブネズミ数匹。
 逃げ場のない男の腹の上の籠の中、熱した鉄の箱を乗せられれば、逃げる場所は人体の中しか無く、腹が減っているならば人肉であろうと食してしまう。
 悲鳴を上げる男よりも、カリカリと肉を食いちぎるネズミへと愛しげに話し掛けた。

 他にも多数。まだまだあった。
 骨を砕いて軟体動物のようにするハンマーも、指も腱も骨も無理矢理断ち切るハサミも、神経の集中する所を狙って穿つ針の群れも、すり潰して削り取る鉄塊も、人体を解剖する小さな刃や磔杭も、全ては腐った人間たちと、袁の血族だけに向けられていく。
 全て彼女が食事場に持っていた拷問道具で処刑道具。考え付く限りの殺し方を明は試して行った。


 女好きの年寄りは二つの玉を叩き潰して口から逸物の破片を捻じ込んでやった。歯を叩き折って、喉の奥深くまで。

 明に夜伽をさせていた熟年の女の股には、腕を突っ込んで腹を掻き回した。突き抜けた腕で子宮を取り出し、腸で頸を絞めて殺し切った。

 子供ばかりを貪っていた男は子供サイズに手足を切り取ってやった。蹴鞠のように何度も何度も、何度も何度も何度も何度も何度も何度も蹴って殺した。

 食欲旺盛な男にはぐちゃぐちゃに掻き混ぜた肉と血と内蔵の液体を飲ませてやった。鼻を抑えたままで注ぎ続け、吐き出しそうになったところで大地に顔をめり込ませて窒息死させた。

 夕を殺そうとした人間二人を向い合せ……生きたまま解剖し、生きたまま脳髄を掻き回すのを見せつけた。狂っていく一人を見れば、もう一人は恐怖からケタケタと笑って壊れた。後は頸を刈るだけだった。


 見ている兵士達の顔色は悪く、腹の内容物を嘔吐するモノばかりであった。
 それでも、
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