生死乱れる紅の狂宴
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為、そして未来を切り拓く意思を借り受ける為に。
「……乱世に華を、世に平穏をっ」
肉と骨を断つ音がまた一つ。ゴトリ……と重たい音が床に響いた。
また彼女は赤く赤く染まって行く。
同族にして同質な二種類の血の生暖かさに、紅揚羽が求め続けているのは、親が与えてくれた最後の温もりなのではないかと思った。
微笑みながら、彼女は泣いていた。
それが誰の為の涙なのか、麗羽にも分からなかった。
†
その場は地獄と呼ぶに相応しい。
「やめろぉ……やめてくれぇ……」
「妻だけは、妻だけは命を助けてやってくれ!」
「私はどうなってもいい! ですから坊やの命だけはっ」
「嫌だぁぁぁぁぁぁ! ひあっ、痛い、痛い痛い痛い痛いイタイいたいいタいイタい……」
「あがががががが……たす、け……死ぬのは……」
「おい、ウソだろ……夢なら覚め――――」
悲鳴と断末魔と怨嗟。懇願と保身と自己犠牲。理不尽に齎される死に怯え、大切なモノが奪われる現実に絶望し、命が幕を下ろす瞬間に赤い紅い華を咲かせていく。
高台で見下ろすのは麗しき王。人身御供となった、民の為に生きる彼女。
そしてその片腕たる二枚看板の一人。口を手で押さえながらも目を逸らすことは無く。
視線の先、一人一人を喰い尽くしていくのは死神のような女。
練兵場の中で張コウ隊に円陣を組ませたそこでは、阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていた。
「ひひっ♪ あはっ、あはははハハハはハははははっ!」
甲高い笑い声は誰の耳にも届いていた。
凡そ人がするとは思えない数々の残虐な手段で人を殺しながら、彼女は子供のように笑いを上げる。
あっちで殺し、こっちで殺し、丁寧に一人ひとりの命を喰らい続けて行った。
「ひっ……いやだ、やめてくれ、串刺しになんかなりたくないっ! やめて、やめてやめっ――――ぐぅえ……おぁ」
「あはぁ……キモチイイ? こぉんなぶっといモノを突き刺して貰ってさァ? あんたはどれだけの女を喰ったんだっけェ? 夕にも手を出そうとしやがったよねェ? だからァ、突き刺される快感に溺れて死んでネー♪」
例えば一つは……長い長い金属の槍。
ぐるぐる巻きにされた壮年の男が一人、尻の穴に突き立てられた鉄杭を、ゆっくりゆっくりと口まで突き抜けさせられた。
ずぶずぶと埋まって行くその感触が心地よくて、明は恍惚の表情で舌を出す。
次に目を向けた場所はすぐ近く。
「ひひ……動けないって凄く辛いよね? 縛られるって気が狂いそうになるよね? だぁいじょうぶっ♪ あたしの食事場で飼ってた虫ちゃん達はぁ……そんなあなたをたっぷりと愛してくれるからさぁ♪」
「――――――っ! っ、――――っ!」
「あははハハは
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