第22話 Machination 1
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第22話 Machination 1
夢を見ていた気がする。幸せだった頃の夢。カズハがいて、庭の樹の下で俺に本を読んでくれていた。
本のタイトルなんて覚えていない。ただ、それでも、その世界は何よりも、優しい世界だった…………
「からの、知らない天井だ。」
いや、正確に言うと全く知らない天井というわけでもない。ただ、まじまじと見るのが初めてというだけだ。
というかなんで俺はこんなところにいるのだろう?
「……あ、そうだ。また戦ったんだ…」
なんとか記憶を辿っていき、状況を確認する。知らない三人組に絡まれて、ヒイラギさんが止めに入って、それでブチ切れて、そのあとは……駄目だ思い出せない。ていうか早く起きなきゃ。サテライザー先輩を待たせて………………………
「ってか今何時だ??」
カバっと起き上がり、近場の時計を確認する。五時半……あれ、時間が巻き戻って、じゃねえよ??外が明るいから朝だ??
「完璧約束すっぽかして……あれ。」
毛布を剥ごうとしたが、何か重いものに抑えられ、それを阻まれる。恐る恐る其方に目を向けていくと、そこには天使がいた。あ、嘘。間違えた。サテライザー先輩がいた。毛布の上に突っ伏し、スヤスヤと優しい寝息を立てている。
このまま寝かせてあげたいと思わなくもないが、それは流石にできない。写真の一つでも撮りたいがそれも失礼だ。
人として。
「あの、先輩…朝ですよぉ〜。」
なるべく優しくゆすり、先輩を夢の国から起こそうとする。
「う〜ん……あと3分……」
可愛いなぁ〜。本当に可愛いなぁ〜。天使って言ったとしても語弊はないだろ。
「ダメですよ先輩。もう朝……」
「あと気分……」
「起きないつもりですか??」
「あと半分……」
「いったいなんの半分??」
おかしいぞ……先輩ってもっと、こう、クールなかっこいい先輩っていうイメージが…いや、これはこれで可愛いんだけどさ……
「ううん……」
少し考えていると、先輩が目を覚ます。
その姿はいつもの凛々しい姿とはいえ、そのギャップも相まってや可愛い。もう一度言うが可愛い。
大事なことだから二回言いました。
「あ……カズト…!」
「おはようございます、先輩。」
にっこりと少し意地の悪い笑みを浮かべると、先輩は一呼吸おいてから、ボンッと音がしそうなくらいに顔が赤くなる。
「あの、えっと、これは、その…!」
「落ち着いてください。大丈夫ですから。」
なんだか、最近俺のキャラがぶれてきた気がする。いや、そんなことよりもまずは先輩に謝らなければ。
「あの、サテライザー先輩。昨日はその…初部屋入り台無しにしてしまって、すいませんでした…」
サテライザー先輩
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