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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-13 仲間との絆
Story13-11 ヨツンヘイム
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第3者side
夜空を見上げると暗闇の中にいくつもの煌く光があった。
星ではない。
光の正体は天井から垂れ下がる無数の氷柱、その内部からほのかに光を発している。
だから、最初の言葉も訂正しよう。夜空ではなく、洞窟の天井、だと。
さらにここの地面には断崖や峡谷などの自然風景はもちろん、あまりの寒さに白く凍りついた湖や雪山、さらには明らかに人工物と見られる城や砦などの建築物まで見える。
妖精の国アルヴヘイムの地の底に広がるもう1つのフィールドであり、恐ろしい邪神モンスターが支配する闇と氷の世界。
その名前は……ヨツンヘイム。
「ぶえっくしょーい!!」
女性にあるまじきパワフルな音を出しながらくしゃみをしたリーファは事情を察知し、急いで口を押さえる。
さっきのリーファのくしゃみで邪神級モンスターが挨拶のようにこちらへやって来ないことも限らないからだ。
ただ、その警戒は幸いにも無駄となり外には雪が舞うだけだった。何も来ないことを改めて確認するとゆらゆらとゆれている焚火へと視線を移す。
リーファの視線の先、明らかに事情を察知してない人が一人。こっくりと頭を揺らすキリトだ。
「おーい、起きろー」
リーファの声にも、耳を引っ張る結構痛そうな行動にもむにゃむにゃと言うだけで反応なしなキリトとその膝で丸まっている小妖精。
「ほら、寝るとログアウトしちゃうよー」
いいながらリーファがさらに耳を引っ張ると、その力に逆らわずにリーファの方へ体を傾け、ストンとその頭を太ももへと乗せる。さらにもぞもぞと動いてポジションを探していた。
ここまでくるとさすがにリーファも戸惑いを振り払い、
左手で拳骨を握るとツンツンと逆立った黒い髪の真ん中に狙いを定め、そこへ落下させた。
爽快な効果音と肉弾攻撃の黄色いエフェクトが奇妙な声と同時に発生しその直後キリトは飛び起きた。辺りをきょろきょろしているキリトの顔に対しリーファはにっこりと微笑みかけ、優しい声をかけた。
「おはよー、キリト君」
「………おはよう。もしかして俺、寝ちゃってた?」
「あたしの膝枕でね。小パンチ一発で済ませてあげたのを感謝しなさいよね」
「そりゃ失礼。何ならお詫びにリーファも俺の膝枕で」
「要りません!」
夢の中で何か思い付いたかどうかを続けてキリトに訊ねるリーファだが、彼が夢で見かけたのは巨大プリンアラモードがもう少しで食べられる、という状況外れの夢だった。
領主会談のあと、最初の目的であるアルンを目指し飛んでいたキリトたち。
会談が終わったのが午前1時。
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