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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-13 仲間との絆
Story13-9 黒白の閃光
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す。


その瞬間。ユージーンは魔剣を小細工抜きの大上段に構え、ごっ!という大音響と共に、真正面から撃ち込んだ。


対するキリトは、臆することなく突進で距離を詰め、左の刀を雷光の如き速度で振り下ろした。


しゃぁん!と甲高い金属音が流れ、眩い火花が宙に円弧を描いた。

エセリアルシフトが発動するよりも速く剣の側面を弾かれ、ユージーンの撃ち込みはキリトの左肩を掠めて背後へと流れた。



そして…………

「ら……ああぁぁぁぁ!!」

凄まじい気勢に乗せて、キリトの右手の剣が、真っ直ぐに突き込まれた。


ドッ!という重い音を立てて、黒がねの刃がユージーンの体を貫いた。

「ぐあっ!!」

キリトの神速の突きと、双方の突進のスピードが相乗効果をなしたそのダメージは凄まじいものとなり、ユージーンのHPバーが一瞬でイエローに突入する。


だがキリトはそこで止まらなかった。


右手の剣を素早く引き戻すや、尚も再度攻撃態勢に入ろうとするユージーンへと、左の剣で凄まじい速さの連続技を浴びせた。

一呼吸で4発も繰り出された垂直斬りの軌跡が、宙に美しい正方形を描いてユージーンの巨躯を包み込んだ。

「…………!!」

驚愕の表情を浮かべたユージーンの上体が、右肩口から左腰にかけて、無音でスライドした。


ぱっ、と正方形の光が四方へ散る。


直後、巨大なエンドフレイムを巻き上げ、アバター全体が燃え崩れた。


誰一人、身じろぐものはいない。


シルフも、ケットシーも、50人以上のサラマンダー部隊も、魂を抜かれたように凍りついている。

無理もない。この戦いはそれだけハイレベルだったのだ。

しかし、ここにシャオンがいたなら、こう言うだろう。

『キリトの本気と互角に渡り合えるやつなんて俺ぐらいだ』




最初に沈黙を破ったのは、サクヤ。

「見事、見事!!」

そう言うと、両手を高らかに打ち鳴らす。

「すごーい!ナイスファイトだヨ!」

アリシャがそれに続き、直ぐに背後の12人も加わった。

盛大な拍手に混じって、口笛を鳴らしたり、「ブラヴォー」と叫んだりの大騒ぎだ。


そしてそれは、指揮官を討たれた筈のサラマンダー部隊にも広がり、割れんばかりの歓声を上げて長大なランスを立てて旗のように振り回す。

今まで無法者だったサラマンダーたちも、キリトたちの戦いを見て胸にくるものがあったのだろうか。
いや、それ以前に、彼らもプレイヤーなのだ。このゲームを楽しんでいる……リーファはそう感じた。


輪の中に、今回の立役者となった、キリトがいる。

「や、どーもどーも!」

気障な仕草で四方にくるりと
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